近年、急速に進むグローバル化やデジタル化により、海外企業との商取引をする企業は増加しています。
海外との商取引をする際に必要なスキルは多々ありますが、必要な書類を英語で作成するスキルは必須と言えます。
そこでこの記事では、取引に必要な書類の中でも発注書に着目し、英語で発注書を作成する方法をご説明します。
役立つ英単語やフレーズに加え、送付メールの英語の例文もご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
発注書は英語でどう表記する?
発注書は英語で「Purchase Order」です。
発注書は、商品やサービスを発注、つまり購入するために発注者が作成するものです。
そのため、購入するものを注文する、という意味で、Purchase(購入) Order(注文)という表記のされ方をします。
使用例
- 発注書を発行する
Issue a purchse order - 発注書を受領する
Received a purchase order - 発注書を取り消す
Cancel a purchase order
また、order sheetとも表記できますが、こちらは「注文を依頼する書類」だということをより強調したい場合に用いられます。
略称を使っても良い?
Purchase orderは頭文字をとって、POもしくはP/Oと略されることがあります。
こうした略語は、簡潔に内容を伝えることができるため、ビジネスメールのやり取りの際などにも使われます。
ただ、あまりに専門的な略語は、相手が分からない場合もあるので、お互いの関係性に気をつけて使用するようにしましょう。
発注書に関する記事はこちら
英語の発注書の書き方
では、実際に英語での発注書の書き方について、ご説明していきます。
基本的には日本語での書き方と変わりはないので、普段使用している発注書の内容をそのまま英訳するだけで問題ありません。
必須の記載項目
発注書に決まった形式は特にありません。
しかし、取引を円滑に行うために記載しておくべき項目もあります。
特に海外の企業と取引する場合は、貿易取引条件も記載しておく必要があります。
以下では、英語の発注書を書く際に必須の記載項目を解説していきます。
タイトル
まずはタイトルです。
書類の上部に見やすいよう、PURCHASE ORDERと記載します。
発注日
発注日、もしくは発注書発行日は、Dateと記載します。
より具体的に、Order Dateと表記することもあります。
日付の記入方法は、日本語での書き方とは異なっています。
例えば、2023年5月24日と書きたい場合は、
05/24/2023(アメリカ英語)もしくは、
24/05/2023(イギリス英語)というように記入します。
発注番号
発注番号は英語で、PO Numberです。
番号の前に#を記入するだけの場合もあります。
間違いなく発注書を管理するためにも、発注番号は記載しておきようにしましょう。
自社情報
自社、つまり発注する側の情報を記載します。
日本語の場合と変わらず、
- 社名(Company Name)
- 担当者名(Name)
- 住所(Address)
- 電話番号(Phone)
- メールアドレス(Email)
といった情報を記入します。
住所を書く際には、日本と書く順番が逆になるので注意しましょう。
例えば弊社の住所を書く際は、
【日本語】
〒650-0031 兵庫県神戸市中央区東町123-1 貿易ビル503
【英語】
503 Boeki Bldg. 123-1, Higashi-cho, Chuo-ku, Kobe-shi, Hyogo, 650-0031, JAPAN
と記載します。
取引先情報
取引先、つまり受注側の情報をここでは記載します。
VENDOR(販売業者)と表記したり、ToやShip toと表記したりして、その後に会社名や情報を続けて記載します。
請求先と配送先が異なる場合には、請求先(VENDOR, Bill to)と配送先(Ship to)というように、それぞれ別の項目を設けて書くようにしましょう。
記入する内容は、上述の自社情報の際に記入した項目とほぼ同じです。
発注明細
発注する商品やサービスの明細(Description)を記入します。
以下のような、発注に必要な情報を記載するようにしましょう。
番号 | No. |
---|---|
商品名 | Item |
数量 | QTY |
単価 | Unite Price |
小計 | Subtotal |
消費税 | Sales tax |
合計金額 | Total |
発送希望日
希望の配送日がある場合には、Expected Ship Dateと記入し、日付を示します。
また運送方法の記載も必要な場合は、Shipping Methodと表記します。
航空便を使用する場合はBy Air/ Airmail、船便の場合はBy Shipというような記載をします。
後で解説する貿易取引条件に記載するケースもあります。
貿易取引条件
海外の企業との取引の場合には、貿易取引条件(Shipping Terms)が必要になる場合が多いです。
貿易取引条件とは、貿易取引をする際に決めておくべき条件のことを指しています。
例えば、輸送について、船便なのか航空便なのか、どの空港を使うのか、商品の毀損や危険負担、運送費用は誰が負うのか、といった内容が含まれます。
実際に商取引を行う際にトラブルが起こらないよう、貿易にかかる費用や保険をどちらが負担するのか発注の段階ではっきりさせておくことが大切です。
貿易条件の例
次のような貿易条件がよく使用されます。
略語も頻繁に使用されますので、覚えておくようにしましょう。
船側渡 | FAS: Free Alongside Ship |
---|---|
本船渡 | FOB: Free On Board |
運賃込 | CFR: Cost and Freight |
運賃保険料込 | CIF: Cost, Insurance and Freight |
支払条件
支払条件(Payment Terms)では、前払いや確認信用状といった支払方法について書きます。
海外取引において用いられる代表的な支払条件は以下の通りです。
前払い | Advanced Payment |
---|---|
信用状 | L/C |
確認信用状 | Confirmed L/C |
支払渡し/支払時書類渡し | D/P |
引受渡し/ 引受時書類渡し | D/A |
オープンアカウント | Open Account |
特記事項
何か相手に伝えておく必要のある項目や注意事項があれば、特記事項(Special Instructino)に書いておきましょう。
発注書で使える英単語
ここでは発注書を発行する際に頻出する英単語をご紹介していきます。
発注書の作成時・受取時のどちらのケースでも役立つものですので、ぜひ覚えてみてください。
- 輸送会社: Ship via 〇〇(会社名)
- 保険負担先: Covered by seller(売り手)/ buyer(買い手)
- 署名/サイン: Approved by
- 納入日/納期: Delivery Date
- 小売価格: retail price
- 卸売価格: wholesale price
その他の帳票の英語での書き方についてはこちら
英語で送付メールを送るには
発注書の作成が完了した次にすることは、メールでの送付です。
ここでは、発注書を送付する際に書くビジネス英語でのメールの書き方を、例文とともにご説明していきます。
ビジネス英語での送付メールの書き方
では具体的な書き方について見ていきましょう。
送付メールは、日本語と同じように以下の内容によって構成されます。
- 件名
- 送付先の名前
- 本文
- 発注者(送信者)の名前
件名
件名(Title)は、一目見ただけで発注書だと分かるようなものにします。
Purchase Order #〇〇(注文書〇〇番)
Order for 〇〇(〇〇の注文)
このように、注文書番号だけを記したり、何の注文なのか分かるように記載したりします。
本文
本文では、このメールに発注書が添付されていることや、問い合わせ用の連絡先などを記します。
例えば、以下のようなフレーズが使用されます。
- 発注書〇〇を添付しましたのでご確認ください。
Please find attached our purchase order #〇〇. - 発注書を添付しております。
Attached is our purchase order. - PDFファイルにて発注書を添付しておりますので、ご確認ください。
Please find our purchase order in PDF format atatched.
また納期などの重要な情報も、メール本文で再度記載しておくようにしましょう。
- 6月22日までに納品いただきますようお願いいたします。
We would remind you that the products must be delivered before June 22nd. - 納入日をお知らせください。
Please let me know the delivery date.
結びの言葉
結びの挨拶では、お問合せ先や取引のお礼などを記入します。
- ご不明な点がございましたら、遠慮なくご連絡ください。
If there is anything unclear, please feel free to contact us. - 発注に関する質問につきましては、~~までご連絡くださいますようお願いいたします。
For any questions regarding this order, plaese contact ~~.
敬具や草々にあたる、Sincerely yours,やBest regard,を結びの言葉として添え、署名を書きます。
発注書送付メールの例文
上記の項目を踏まえた上で、送付メールの例文をご紹介します。
【英語】
Dear 〇〇
Thank you for your quotation.
Please find attached our purchase order #〇〇.
We would like to remind you that the products must be delivered before June 22nd.
If there is anything unclear, please do not hesitate to contact us at ~~ or email us at ~~.
Best regards,
△△
【日本語訳】
〇〇様
お見積もりいただき、ありがとうございました。
発注書〇〇番を添付いたしましたので、ご確認ください。
6月22日までに納品いただきますよう、お願い申し上げます。
ご不明な点がございましたら、遠慮なく~~(電話番号)、もしくは~~(メールアドレス)までご連絡ください。
△△(自分の名前、会社名)
発注後に変更があった場合は?
もし、発注書を発行し送付した後に、間違いや変更点が出た場合には、すぐに取引先に連絡しましょう。
その際には、
- 納入日を6月22日から7月3日に変更していただきたいのですが、可能でしょうか。
We are woundering it would be possible to move the delibery date forward from June 22nd to July 3rd. - 03番の商品の数量を、12個から20個に変更させていただきたいです。
We would like to change the quantity of No.03 from 12 to 20.
このような英語表現がよく用いられます。
送付メールに関する記事はこちら
発注書作成なら建築業向け管理システム『アイピア』
アイピアは建築業に特化した一元管理システムであり、顧客情報、見積情報、原価情報、発注情報など工事に関する情報を一括で管理できるため、情報集約の手間が削減されます。
さらに、アイピアはクラウドシステム。外出先からでも作成・変更・確認ができます。
アイピアはここが便利!6つのポイント
まとめ
英語で発注書を書く方法についてご説明してきました。
基本的な内容は、日本語で作成する場合と変わりません。
しかし、海外の企業と商取引する際には、貿易に関わる専門用語も必要になる場合があります。
取引先との認識の齟齬や、大きなトラブルを防止するためにも、間違えのないよう注意しながら発注書を作成するようにしましょう。
発注書・注文書に関する記事
- 【建築・リフォーム業向け】注文書・発注書の見方と書き方解説
- 発注書と注文書の違いとは?使い分けや作成時のポイントを解説!
- 注文・発注をメールでする場合の例文や注意点
- EDIを活用した受発注業務とは?【建設業向け】わかりやすく解説!
発注書・注文書テンプレート記事
現場管理システムに関する記事
“社内のデータを一元管理”工務店・リフォーム会社が選ぶ!
建築業向け管理システム
Aippear(アイピア)