発注書は、発注者が工事や商品、サービスを注文する意思を示すために作成する書類です。
手書き、またはエクセルテンプレ―トを活用して作成するのが一般的です。
今回は、無料で使えて便利な建設業(建築業)向け発注書テンプレートを作成しました。
発注書の作成方法や、作成時の注意点もあわせて解説いたします。
無料テンプレート
エクセル形式のテンプレートをダウンロードして、必要事項を入力し印刷します。
無料でダウンロードできるサイトなどもあります。
A4縦型 エクセルテンプレート
こちらは弊社が作成したA4縦型の発注書エクセルテンプレートです。
ご自由にご利用ください。
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- 請求書付
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- 発注請書付
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- 発注請書付
- 請求書付
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- 値引き
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- 英語版
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- 英語版
- 値引き
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- 英語版
- 値引き
A4横型 エクセルテンプレート
次に以下は弊社が作成したA4横型の発注書エクセルテンプレートです。
ご自由にご利用ください。
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- 請求書付
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- 発注請書付
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- 発注請書付
- 請求書付
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- 値引き
※発注書のエクセルテンプレートは、下記のサイトでも提供されています。
・bizroute「【登録不要/無料】注文書・発注書テンプレート | シンプル、おしゃれ有」
・アイピア「建築業界(リフォーム・工務店向け)の【無料で使える!】発注書エクセルテンプレート集」
ワードテンプレート
こちらは弊社が作成したワード形式の発注書テンプレートです。
ご自由にご利用ください。
弊社テンプレート ご利用上の注意
弊社サイト内における無料のエクセルテンプレートは個人でのご利用と改変は可能です。
但し、著作権は放棄していないため、以下のご利用はご遠慮ください。
①オリジナルのテンプレートとして他社サイトに掲載することはできません。
②他社サイトにダウンロードリンクを掲載することはできません。
社内でご利用する場合は、上記の条件にご注意ください。
またご利用の際は、いかなる補償も対応もできませんので、ご理解の程よろしくお願いいたします。
発注書の書き方(項目解説)
発注書の作成方法を確認しました。
ここでは、発注書の記載項目についてみていきましょう。
発注書の記入必須項目
発注書には、国税庁のHPで述べられている5つの必須項目があります。
この項目は、請求書や納品書などと同様です。
➀ 書類作成者の氏名又は名称
➁ 取引年月日
➂ 取引内容
➃ 税率ごとに区分して合計した税込対価の額
➄ 発注先の事業者の氏名又は名称
発注書の書き方
発注書は、様式は違っても、記載する項目はほとんど同じです。
発注書のサンプルを元に、各項目を確認しましょう。
発注書に記載すべき項目
- 宛名
- 件名
- 工期(納期)
- 支払条件
- 支払期日
- 見積番号(発注先から事前に提出されている見積書の番号)
- 発注書番号 (一意に識別するために必要)
- 発注日
- 発注金額
- 発注明細(NO,項目、単価、数量、単位、金額)
- 備考
- 会社情報(発注元情報:郵便番号、住所、TEL、FAX、Mail)
- 担当者
親事業者が発行する「3条書面」の記載項目
すでに確認した通り、下請法では、親事業者が下請事業者に発注書を交付することが義務付けられています。
「3条書面」とよばれるこの発注書には、以下の項目をすべて記載する必要があります。
① 親事業者及び下請事業者の名称(番号、記号等による記載も可)
② 製造委託、修理委託、情報成果物作成委託又は役務提供委託をした日
③ 下請事業者の給付の内容(委託の内容が分かるよう、明確に記載する。)
④ 下請事業者の給付を受領する期日(役務提供委託の場合は、役務が提供される期日又は期間)
⑤ 下請事業者の給付を受領する場所
⑥ 下請事業者の給付の内容について検査をする場合は、検査を完了する期日
⑦ 下請代金の額(具体的な金額を記載する必要があるが、算定方法による記載も可)
⑧ 下請代金の支払期日
⑨ 手形を交付する場合は、手形の金額(支払比率でも可)及び手形の満期
⑩ 一括決済方式で支払う場合は、金融機関名、貸付け又は支払可能額、親事業者が下請代金債権相当額又は下請代金債務相当額を金融機関へ支払う期日
⑪ 電子記録債権で支払う場合は、電子記録債権の額及び電子記録債権の満期日
⑫ 原材料等を有償支給する場合は、品名、数量、対価、引渡しの期日、決済期日、決済方法
下請法に関する記事はこちら
発注書とは
発注書とは、発注者が工事や商品、サービスを注文する意思を示すために作成します。
建築業では、口頭で取引を進めたり、メールやLINEで確認を済ませる事もあるようです。
しかし、発注書の発行は、下請法において次のように定められています。
親事業者は、発注に際して下記の具体的記載事項をすべて記載している書面(3条書面)を直ちに下請事業者に交付する義務があります。
そのため、しっかりと発注書を作成し、管理するようにしましょう。
発注書と注文書の違いとは?
「発注書」と「注文書」はよく似た意味合いであり、違いが分からないという人も少なくないでしょう。
実際、これら二つは内容的には同じ書面であり、法的にも効果は変わりません。
使い分けるとすれば、次の通りです。
発注書 | 工事や作業など、形のないものを依頼する場合 |
---|---|
注文書 | 商品や資材など、形のあるものを依頼する場合 |
各企業によってどちらを使うか、どのような意味で使うかは異なります。
ただし、自社で発注書と注文書が混在している場合は、使い分けを統一するようにしましょう。
発注書の作成方法
ここでは、発注書の作成方法を3つご紹介します。
作成方法① 市販の書式を使用する
市販の発注書を購入し、必要項目を手書きする方法があります。
フォーマットを一から作る必要がないので、簡単に作成可能です。
作成方法② エクセルで作成する
Microsoft Excelを利用し、作成する方法です。
計算式を利用できるため、手書きやワードと比べ、より正確な発注書の作成が可能です。
またエクセルテンプレートを使うことで、誰でも簡単に作成できます。
作成方法③ ワードで作成する
Microsoft Wordを利用し、作成する方法です。
テンプレートを使えば、手書きに比べて短時間で発注書を作成できます。
また、電子データで送付する場合、紙代が節約できるためコスト削減にもつながります。
作成方法④ 管理システムからワンクリック発行
管理システムを活用すれば、ワンクリックで発注書を発行することができます。
こちらは、弊社が提供している建築・リフォーム業向け管理システム『アイピア』です。
まずは、体験デモで使用感を体感してみませんか?
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発注書作成時の注意事項
下請法の適用外の関係(発注者と受注者)の場合、互いに合意すれば、発注書がなてくも取引は成立します。
しかし、トラブルを防止するためにも、発注書の作成をおすすめします。
ここでは、発注書を作成する際に注意するポイントをみていきましょう。
発注書への押印は必要?
発注書の押印は、必須ではありません。
実際に、発注書に印鑑がなくても効力は変わりません。
しかし、発注書には、取引内容や金額など、取引において重要な項目が記載されています。
そのため、押印して正式な書類として発行した方が、取引先に安心感を与えることができます。
また、押印は承認の意味でも使われます。
きちんと確認された書類であることの証明にもつながるため、押印があった方が良いでしょう。
発注書はメール送付可能?
IT化に伴い、発注書をはじめとした書類が電子化されるようになってきました。
電子化された書類は、メール添付などの方法で送付することが可能です。
もちろん、発注書をメールで送付することも可能です。
しかし、この場合、いくつか注意すべき点があります。
取引先の事前承諾を得る
帳票類が電子化するようになったのは、比較的最近です。
そのため、FAXを中心として発注書などの書類を受け付けている企業もあります。
そのため、発注書をメールで送付する際は、事前に相手企業に承諾を得るようにしましょう。
メールで送付して良いか、注意事項はないか、など確認を取ることで、認識違いなどによるトラブルを防ぐことができます。
PDF形式で送付する
また、発注書をメールで送付する際は、複製や改ざんができないPDF形式の使用をおすすめします。
エクセルやワードのファイルで送付すると、バージョンによって開けなかったり、レイアウトが変わってしまう恐れがあるからです。
件名を分かりやすくする
発注書メールの件名は、分かりやすく簡潔なものにしましょう。
「発注書ご送付について」などと明記すると、当該メールの内容が一目で分かります。
発注書メールに関する記事はこちら
発注書の保存方法
電子帳簿保存法の保存制度は3つに分けられます。
- 電子帳簿保存
- スキャナ保存
- 電子取引
2024年1月から対応が必須になったのが電子取引における電子データ保存です。
電子取引を行った電子データは、紙に出力することなく、電子データとして保存しなければなりません。
電子帳簿保存法では、電子データの保存に関して要件が定められています。
詳しくは国税庁のサイトをご確認ください。
電子データとして作成した発注書(写し)に関しては、「電子データ保存」が可能です。
また、書面で作成した場合は、紙から電子データに変換する「スキャナ保存」が認められています。
一方で、メールの添付ファイル(PDFなど)や、電子契約システムを利用した場合は、「電子取引」となるため、そのまま電子データで保存しなければなりません。
紙に出力して保存する方法は認められていません。
郵送などで書面での取引を行った場合は、従来同様の方法で紙での保存が可能です。
電子データとして保存したい場合は、スキャナ保存の方法に従って保存する必要があります。
発注書の保存期間
法人の場合は、原則7年間の保存義務があります。
欠損金の発生がある事業年度は、保存期間が10年になるため注意が必要です。
個人事業主の場合は、5年間の保存が義務付けられています。
インボイス制度による影響は?
インボイス制度とは、「適格請求書(インボイス)」を発行・保存することで、発注者が仕入税額控除を受けられる制度です。
2023年10月1日に施行されました。
請求書の発行・保存に関する制度のため、基本的に発注書に影響はありません。
ただし、発注書と一緒に請求書を送付する場合は注意が必要です。
発注書に請求書を同封する場合は、必ず請求書に以下の記載項目を記載するようにしましょう。
適格請求書の記載項目
適格請求書には、以下の項目の記載が必要です。
① 適格請求書発行事業者の氏名・名称・登録番号(通知書に記載)
② 項目ごとの取引年月日
③ 取引内容、軽減税率対象のものはその旨
④ 税率ごとに区別した合計金額(税抜き、税込み問わない)、またその適用税率
⑤ 消費税額
⑥ 買い手事業者の氏名または名称
※赤字下線部が、「区分記載請求書」から新たに追加された必要項目です。
また、発注書のみを送付する場合でも、取引先が発注書をもとに請求書を作成することがあります。
この場合、発注書の記載項目が不十分であれば、請求書への記載漏れが生じる可能性があります。
請求書作成時のミスや手間を削減するためにも、適格請求書に必要な記載項目をあらかじめ発注書に記載しておくと良いでしょう。
インボイス制度に関する記事はこちら
まとめ
今回は、発注書テンプレートと発注書作成時の注意点などをご紹介しました。
発注書は、取引先との信頼関係を築くうえで、大変重要な書類です。
注意点をふまえ、適切に作成しましょう。
本記事に掲載したテンプレートは、建設業や建築業向けの発注書です。
現場住所の記入欄や工期の記入欄など、工事を発注するうえで必要な項目が全て記載できるようになっています。
無料でダウンロード可能ですので、ぜひご活用ください。
建築業向けの管理システム「アイピア」
アイピアは建築業に特化した一元管理システムであり、顧客情報、見積情報、原価情報、発注情報など工事に関する情報を一括で管理できるため、情報集約の手間が削減されます。
さらに、アイピアはクラウドシステム。外出先からでも作成・変更・確認ができます。
アイピアはここが便利!6つのポイント
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