請求書の再発行を求められたら、どう対処すれば良いのでしょうか。
また、なんらかの事情で請求書を差し替えたい時、どうすれば良いのでしょうか。
この記事では、請求書を再発行する場合の方法についてご紹介していきます。
ケース別の対処法や注意点も解説していきますので、参考にしてください。
目次
請求書の再発行は可能?
そもそも、請求書の再発行は可能なのでしょうか。
請求書は取引ごと、請求ごとに発行し、同じ取引につき複数の請求書を発行してはいけません。
なぜなら、二重請求となったり、異なる金額の請求となったりするなどトラブルが起こるおそれがあるためです。
ただし、特別な事情や理由がある場合には再発行が認められます。
よくある再発行が認められるケースについて、ケース別に見ていきましょう。
請求書の書き方に関する記事はこちら
紛失のために請求書の再発行を依頼された場合
請求書を発行したのに、取引相手が紛失した場合、口頭で金額を伝えるだけでは入金ミスなどが起こるかもしれません。
取引相手としても、取引履歴を残し、税務上の証明書類として保管するためにも請求書がほしいはずです。
取引相手が請求書を紛失した場合には、再発行が認められます。
以下の手順で再発行を行いましょう。
STEP1 元の請求書の内容を確認する
継続的に取引をしている場合や頻繁に取引をしているケースは多いですし、たとえ初めての1回限りの取引であっても、相手方やこちら側で別の取引と勘違いするリスクがあります。
少額請求や間違った請求にならないよう、元の請求書の内容を確認しましょう。
工事名や商品名、数量などお互いにわかる点で確認を取ります。
STEP2 請求書を作成する
確認が取れたら、前回と同じ内容で請求書を作成して送付の準備をしましょう。
STEP3 案内状を作成する
請求書を再発行する旨について注意点を記して、案内状を作成して添付してください。
案内状の文例
案内状の文例は以下の通りです。
平素は格別のお引き立てをいただき、厚く御礼申し上げます。
先日お問い合わせいただきました請求書(請求No.××××)を再発行させていただきます。
紛失された請求書が発見された場合には、お手数ですが、破棄していただくようお願いいたします。
請求書の管理に関する記事はこちら
請求書の記載内容に誤りがあった場合
請求書の記載内容に誤りがあり、送付した後に気づいた場合は、差し替えが必要です。
以下の手順で再発行を行いましょう。
STEP1 請求書に誤りがあったことを報告・謝罪する
まず、早急に連絡を取りましょう。
電話またはメールなど、すぐに連絡が取れる方法を用います。
請求書のどこに誤りがあったかを伝えて、丁重に謝罪してください。
謝罪メールの文例
メールで謝罪する場合の文例は以下の通りです。
いつもお世話になっております。
××株式会社の××です。
先日送付いたしました〇〇の請求書に記載した取引内容に誤りがありました。
大変申し訳ございません。
つきましては、正しい内容の請求書を改めて送付させていただきます。
訂正箇所は以下の通りです。
(誤)××新築工事
(正)××改修工事
大変恐縮ですが、先にお送りした請求書は破棄していただきますようお願いいたします。
今後はチェック体制を強化し、このような誤りが起こらないよう徹底いたします。
今後とも変わらぬお引き立てのほど、お願い申し上げます。
STEP2 請求書を作成する
請求書を正しい内容で作成し、再び間違いがないよう、ほかのスタッフや上司などのダブルチェックなどを経たうえで送付しましょう。
請求書の訂正方法に関する記事はこちら
請求書の誤りを指摘された場合
請求書が相手方に届き、相手方から誤りを指摘された場合も再発行が必要です。
誤りがある状態では、正確な金額の入金ができないことや取引の証拠書類として保存するうえでの問題が生じます。
誤りの箇所が請求に直接影響しなくても再発行が必要です。
STEP1 元の請求書の内容を確認する
まず、元の請求書の控えを取り出し、相手から指摘された点を確認します。
見積書または契約書など請求書の内容となった最終的な書類と突き合わせ、内容に誤りがあるか確認しましょう。
STEP2 誤りが認められた場合謝罪する
誤りがあった場合には、丁重に謝罪をしましょう。
謝罪メールの文例
謝罪メールの文例は以下の通りです。
請求書の誤りをご指摘いただき、ありがとうございました。
弊社にて調査したところ、ご指摘の通り商品名の誤りがございましたので、訂正のうえ、改めて正しい請求書を送付させていただきます。
訂正内容は以下の通りです。
(誤)商品型番×××〇
(正)商品型番×××△
弊社のミスによりご迷惑をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます。
大変お手数ではございますが、お手元の請求書は破棄いただきますようお願い申し上げます。
今後はチェック体制を強化し、このような誤りが起こらないよう徹底いたします。
今後とも変わらぬお引き立てのほど、お願い申し上げます。
STEP3 請求書を作成する
請求書を正しい内容に訂正したうえで作成をします。
再び誤りなどがないよう、訂正した箇所をはじめ、ほかの箇所もすべて上司などにダブルチェックをしてもらい、正しい内容にしてください。
そのうえで、再発行した請求書を送付します。
請求書のメール送付に関する記事はこちら
請求書を再発行する際の注意点
請求書を再発行するにあたっては、以下の点に注意しましょう。
起こしがちなミスなので間違えないよう注意が必要です。
発行日は元の請求書と同じにする
再発行する場合、改めて請求書を作成する日を発行日にしてはいけません。
発行日は元の請求書と同じにします。
元の発行日はすでに過ぎていて過去の日であると思いますが、今の日付にする必要はありません。
二重請求に気を付ける
同じ取引につき、2枚の請求書が発行される状態になるので、二重請求にならないよう気を付けます。
先方から紛失したと言われた場合でも、後から見つかるかもしれません。
そのため、案内状や再発行した請求書に、最初の請求書は破棄のうえ、差し替えてもらう旨を必ず記載するようにします。
また、請求書に記載する管理番号は、最初の請求書とは変え、別の番号にすることや、「再発行」のスタンプなどを押しておくことは、二重請求の防止になります。
支払期限を過ぎている場合は期限を再設定する
再発行の手続きを行っている間に、当初の請求書で指示した支払期限を過ぎてしまうケースもあるかもしれません。
その場合は、相手もいつまでに支払えば良いのか迷ってしまいます。
そのため、支払期限を再設定することが必要です。
支払期限が過ぎていなくても、後数営業日しかないといった場合は、少し余裕を持たせるのが望ましい配慮です。
ただし、支払期限までには支払えるよう準備しておくことが、支払側にも求められます。
当初の請求書の支払期限が発行から2週間としていた場合、再発行の請求書は再発行する日から1週間程度と短くても問題はありません。
入金済の場合はその旨を送付状に明記する
請求書の紛失や誤りがあったものの、契約書に記載された金額ですでに入金をしている場合や、金額の誤りではなかったため電話やメールで確認のうえすぐに入金をしてくれる場合もあります。
すでに入金が確認できている場合は、再発行した請求書とともに、送付状に「すでに入金済みですので、支払いの必要はありません」と明記しましょう。
また、再発行する請求書に入金済みや領収済みのスタンプやメッセージを備考欄に記載すると、二重払いのリスクが防げます。
請求書発行システムに関する記事はこちら
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まとめ
請求書の再発行は、理由や事情が明確なら可能です。
紛失のために請求書の再発行を依頼された場合の手順は、元の請求書の内容を確認してから請求書を再作成し、案内状を添付しましょう。
請求書の記載内容に誤りがあり、発行側で気づいた場合は、まず請求書に誤りがあったことを報告・謝罪しましょう。
その後、請求書を改めて作成して送付します。
請求書を受け取った相手側から請求書の誤りを指摘された場合は、元の請求書の内容を確認したうえで、誤りが認められた場合は謝罪をします。
そのうえで、正しい内容の請求書を作成し直して送付しましょう。
請求書を再発行する際の注意点として、発行日は元の請求書と同じにすること、二重請求に気を付けること、支払期限を過ぎている場合は期限を再設定すること、入金済の場合はその旨を送付状に明記することが必要です。
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