建築・土木工事でコンクリートをポンプ圧送する際、コンクリートをスムーズかつ安定して圧送できるかどうかは、施工品質や作業効率を左右する重要なポイントです。
その際に重要となるのが「ポンパビリティー」です。ポンパビリティーが適切でない場合、圧送時の圧力上昇や配管内の閉塞、材料分離などにつながる可能性があります。
この記事では、ポンパビリティーとは何か、圧送時に求められるコンクリートの性能、ポンパビリティーに影響する要因について分かりやすく解説します。
ポンパビリティー(ポンプ圧送性)とは?

ポンパビリティー(Pumpability)とは、フレッシュコンクリートをコンクリートポンプによって、所定の条件で安定して圧送できる性質のことです。
コンクリートをポンプで圧送する場合、輸送管の中をコンクリートが移動します。このとき、コンクリートの性状や配合、圧送距離、輸送管の径などの条件によっては、圧送抵抗が大きくなったり、輸送管内で閉塞が発生したりすることがあります。
そのため、ポンパビリティーを確保するには、コンクリートそのものの性質だけでなく、ポンプの種類、輸送管の径・長さ、圧送距離、圧送速度などの施工条件を含めて総合的に検討することが重要です。
国土交通省の工事関係資料でも、コンクリートのポンプ圧送では、管内閉塞を防止しながら計画した圧送量を確保することや、圧送前後でフレッシュコンクリートの品質変化を抑えることが重要とされています。
ポンパビリティーを左右する主な性能
ポンパビリティーを考える際には、コンクリートがどの程度流れやすいかだけでなく、変形のしやすさや材料分離のしにくさなど、複数の性質を考慮する必要があります。
- 流動性
コンクリートがどの程度流れやすいかを示す性質です。一般的にはスランプなどが流動性を判断する際の目安となります。 - 変形性
コンクリートが圧力を受けた際に変形し、輸送管内を移動したり、型枠や鉄筋の間に充填したりするための性質です。 - 分離抵抗性
コンクリートを構成するセメントペーストやモルタル、骨材などが、圧送や打込みの際に分離しにくい性質です。
ポンパビリティーを確保するには、流れやすければよいというわけではなく、流動性と分離抵抗性などのバランスが重要です。
ポンパビリティーが重要な理由
コンクリートポンプによる圧送は、現在の建設工事において一般的なコンクリートの運搬・打込み方法の一つです。
ポンパビリティーが十分に確保されていない場合、圧送作業にさまざまな問題が生じる可能性があります。
- 輸送管内で閉塞する
コンクリートの性状や配合、圧送条件などによっては、輸送管内でコンクリートが詰まり、圧送できなくなる可能性があります。 - 圧送時の圧力が上昇する
圧送抵抗が大きくなると、ポンプに必要な圧力が高くなり、施工効率の低下につながることがあります。 - 材料分離が発生する
圧送中に材料分離が生じると、コンクリートの均一性が損なわれ、施工品質に影響する可能性があります。 - 施工効率が低下する
圧送が安定しない場合、打込み作業の中断や配管の確認・清掃などが必要となり、工事全体の効率に影響することがあります。
ポンパビリティーに影響する要因
ポンパビリティーは、コンクリートのスランプだけで決まるものではありません。材料・配合・施工条件など、さまざまな要因が関係します。
- スランプ
スランプが小さすぎると流動性が不足し、圧送抵抗が大きくなる場合があります。一方で、単純にスランプを大きくすればよいわけではなく、材料分離への配慮も必要です。 - 単位粉体量
セメントなどの粉体量は、コンクリートの粘性や材料分離抵抗性などに関係します。少なすぎる場合には、圧送性に影響することがあります。 - 細骨材率
細骨材と粗骨材の割合もコンクリートの性状に影響します。細骨材率が適切でない場合、材料分離や圧送性に影響する可能性があります。 - 化学混和剤
AE減水剤や高性能AE減水剤などの化学混和剤は、必要な流動性を確保しながら単位水量を抑えるために使用されます。 - 圧送距離・輸送管
圧送距離が長くなるほど圧送抵抗が大きくなる傾向があります。また、輸送管の径や配管形状なども圧送条件に影響します。 - 圧送速度
圧送する速度によってもコンクリートに加わる力や圧送時の状態が変化するため、施工条件に応じた設定が必要です。
このように、ポンパビリティーを確保するには、コンクリートの配合だけでなく、使用するポンプや輸送管、圧送距離などを含めて施工条件を総合的に検討することが大切です。
ポンパビリティーを確保するためのポイント
ポンプ圧送を安定して行うためには、施工前にコンクリートの性状と圧送条件を確認しておくことが重要です。
- 施工条件に合った配合を選定する
必要な強度や耐久性だけでなく、圧送距離や施工方法などを考慮して配合を検討します。 - 材料分離を防止する
流動性だけを優先せず、圧送・打込み時に材料分離が生じないよう配合や施工方法を検討します。 - 圧送条件を事前に確認する
ポンプの能力、輸送管の径・長さ、配管経路、圧送距離などを確認し、無理のない圧送計画を立てます。 - 必要に応じて試験圧送を行う
特殊な配合や長距離圧送などでは、実際の施工条件を想定した試験圧送によって圧送性を確認することも有効です。
特に、長距離圧送や高強度・高流動コンクリートなど、一般的な条件とは異なる施工では、コンクリートの性状と施工条件を合わせて検討することが重要です。
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まとめ
ポンパビリティーとは、フレッシュコンクリートをポンプによって安定して圧送するために重要な性質です。
ポンプ圧送では、流動性だけでなく、変形性や材料分離抵抗性などを考慮し、コンクリートの配合と施工条件を適切に組み合わせることが重要です。
また、圧送距離や輸送管、ポンプの能力などによっても圧送条件は変わるため、現場の条件に応じた施工計画を立てる必要があります。
ポンパビリティーについて正しく理解し、適切な配合・圧送計画を検討することで、コンクリートの安定した圧送と施工品質の確保につなげられます。
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