家を購入したり、家を建てたりする際に、建物の高さを表す指標として「高さ」や「階数」が一般的によく使われます。
しかし、実は建物の高さを知るためには、これらの指標に加えてもう一つ重要な要素があります。
それが「軒高」です。
軒高とは

軒高とは、建物の地盤面から屋根を支える小屋組または横架材を支持する壁や柱の上端までの高さを指します。
建築基準法施行令で定義されており、木造住宅では地盤面から敷きげたと呼ばれる横架材の上端までの高さを、RC造の場合は地盤から最上階の梁の上端までの高さを指します。
軒高の求め方
軒高は次の式で求められます。
計算式
軒高 = 軒先の高さ − 地盤面の高さ
基準面(地盤面)の決定
まずは「どこから測るか」を明確にします。
建築基準法施行令第2条における「地盤面」は次のように定義されています:
建築物が設けられる敷地の、建築物の周囲の地面の平均の高さをいう。
建築基準法施行令 | e-Gov 法令検索
つまり、建物の四隅の地盤の高さを測って平均値を求めるのが一般的です。
計算式
地盤面の高さ = (四隅のGLの合計) ÷ 4
軒の位置を特定する
軒とは、「屋根の外壁から外に出ている部分」の下端を指します。
具体的には、外壁面から出ている屋根部分の下端の高さ(軒の出の先端) が「軒高」の測定点です。
軒高と日影規制に関する知っておくべき注意点
第1種・第2種低層住居専用地域では、軒高が7メートルを超える建物を建てる場合に「日影規制(建築基準法第56条の2)」が適用されます。
これは、建物が完成した際にできる影の長さや時間が、周囲の住環境へ与える影響を事前に確認・調整するための仕組みです。
つまり、「高い建物を建てても、近隣の日当たりを極端に悪くしないようにする」ためのルールです。
日影規制の目的
日影規制の目的は、周辺住民の「日照の確保」と快適な住環境の維持です。
特に冬至の日(1年で最も太陽が低い日)において、建物による日影が一定時間以上続かないように制限されています。
そのため、建築計画の段階で建物の高さ・軒高・屋根形状などを調整し、日影時間が法令の範囲内に収まるように設計する必要があります。
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まとめ
軒高は、建物の高さを知るための重要な要素であり、日影規制においても重要な役割を果たします。
家を建てたり、購入したりする際には、建物の高さだけでなく、軒高も考慮することが大切です。








