ガルバリウム鋼板の特徴とは?ガルバリウム屋根のメリットも解説します

ガルバリウム鋼板の特徴とは?ガルバリウム屋根のメリットも解説します

ガルバリウム鋼板は建築資材の一つですが、その特徴をしっかり理解していますか。
ガルバリウム鋼板はサイディング外壁をはじめ、屋根の素材として人気があります。
ここでは、ガルバリウム鋼板の特徴とガルバリウム屋根のメリットやデメリット、費用などを解説していきます。

ガルバリウム鋼板とは

ガルバリウム鋼板は、板状に加工された鋼板に、ガルバリウムという合金でメッキを施した建材です。
ガルバリウムは、亜鉛・アルミ・シリコン(ケイ素樹脂)による合金で作られています。
鋼をガルバリウム合金でメッキすることで、外部環境の刺激などから保護し、耐久性を持たせています。

ちなみに、古くから屋根素材や外壁素材に利用されてきたトタンは、薄い鉄の板を亜鉛のみでメッキした建材です。
メッキ加工はメッキで覆われる中の素材を保護する役割を持ちますが、どのような素材でメッキを施すかによって保護力に差が出ます。

トタンは、亜鉛のみのメッキなので、耐用年数は10年~20年と短いです。
一方、ガルバリウム鋼板は、亜鉛に加えて、熱に強いアルミや熱にも水にも強いシリコンも加えています。

亜鉛・アルミ・シリコンのトリプル作用で、ガルバリウム鋼板は強さを増しているのです。
合金の性質により、さまざまな外部環境から保護される、耐久性を備えた素材となっています。

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ガルバリウム鋼板の特徴

ガルバリウム鋼板は、外壁のサイディング壁や屋根素材として人気がある建材の一つです。
どのような特徴があるのか確認していきましょう。

耐久性

ガルバリウム鋼板は、耐久性に優れています。
メーカーや環境にもよりますが、およそ20年~35年、中には40年の耐用年数があるものもあります。

50年以上の耐久性を持つ瓦屋根には劣りますが、10年~20年程度の耐用年数しかないトタン屋根より長く、25年~30年程度のスレート屋根よりも長めです。

耐水性

鋼板には鉄が含まれますが、酸化しやすくサビやすい鉄を、亜鉛を含む合金で保護しています。
亜鉛は鉄の腐食を抑える働きがあり、サビにくくすることで耐水性を長続きさせます。

また、合金に含まれるシリコン、いわゆるケイ素樹脂は撥水性にも優れた素材です。
近年はシリコン素材の容器などが人気を集めていますが、水を吸収することなく、何度でも使える耐久性に優れた素材です。

防火性

一方、ガルバリウム合金はアルミニウムを含んでいるので、防火性にも優れています。
アルミニウムはアルミホイルに使われており、オーブントースターで焼いても融けることがありません。

また、シリコンも耐熱性の高い素材です。
シリコンは柔らかく、一見燃えやすそうに見えますが、最近ではさまざまな調理道具に加工されています。
フライパンや鍋の蓋から、フライ返しやお玉、電子レンジ向けの耐熱容器としても利用されます。

火にも熱にも強い素材で、200℃以上の温度に耐えることができるのが強みです。
条件次第では400℃以上の熱に耐え、電気絶縁性に優れているので、火災のリスクにも耐えやすくなっています。

日本では木造住宅が多いうえ、建物が密集している地域が多く、類焼のリスクが非常に高いです。
防火性の高い素材で外壁や屋根を覆うことで、建物を火災から守ることに役立ちます。

ガルバリウム屋根のメリットとデメリット

ガルバリウム鋼板を屋根材として使う場合のメリットと、デメリットを確認していきましょう。

ガルバリウム屋根のメリット

ガルバリウム屋根のメリットは以下の通りです。

  • 軽量で耐久性に優れている
  • 耐震性が高い
  • 加工が容易

それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。

軽量で耐久性に優れている

金属の薄い板でできており、屋根素材としては軽量です。
耐久性も高く、メーカーやグレード、設置する環境などにもよりますが、30年程度の耐用年数が期待できます。

屋根が傷みにくく、頻繁に交換する必要がないので、ランニングコストが抑えられるのもメリットです。

高い耐震性

軽量であることは、耐震性の高さにも影響を与えます。
瓦屋根のように重量があると、地震の揺れにより建物に負担をかけて屋根が損壊することや落下するリスクがあります。

軽量な素材は、建物への負担を抑え、損壊や飛び散りのリスクを軽減します。
地震が来た際にも安心できる素材の一つです。

加工が容易

ガルバリウム鋼板は、中が金属で薄く加工がしやすいだけでなく、合金部分も柔軟で加工しやすくなっています。
シリコン素材のキッチン用品が人気ですが、柔らかな素材なうえ、破れにくく強い特徴があります。

切断したりや折り曲げたりしても弱りにくく、複雑な加工にも耐え得るのがメリットです。
加工がしやすいので、複雑な形状の屋根にも対応しやすく、デザイン性の高い屋根に加工することも可能です。

ガルバリウム屋根のデメリット

では、ガルバリウム屋根にはデメリットはないのでしょうか。
ガルバリウム屋根のデメリットとしては、以下の点が挙げられます。

  • 遮音性が低い
  • 断熱性が低い
  • 通気性が悪い

どのような点がデメリットになるのか見ていきましょう。

遮音性が低い

ガルバリウム鋼板は軽量で薄く、厚みがない分、遮音性は劣ります。
屋根に打ち付ける雨音をはじめ、周辺がうるさい環境の場合、周囲の音が聞こえがちになります。

断熱性が低い

軽量で薄いため、断熱性は高くありません。
金属は屋根の熱を伝えやすいので、夏場など室内が高温になるおそれがあります。
その分、エアコン効率が低くなるのがデメリットの一つです。

通気性が悪い

断熱性が低いことから、屋根の下地に断熱材を敷き詰め、その上から密着させて施工するケースが多いです。
そのため、通気性が悪くなるおそれがあります。
ただし、屋根通気工法などを用いて通気層を作ることで、通気性を確保することが可能です。

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ガルバリウム屋根の施工費用

ガルバリウム屋根の施工費用は、新築で一から施工するのか、屋根のリフォームの一環として葺き替えやカバー工法を行うのかでも異なります。
施工面積でも全体の費用が異なるため、まずは、1平方メートルあたりで費用を確認しておきます。

ガルバリウム鋼板そのものの価格は、メーカーや商品により変動しますが、相場は以下の通りです。

  • 新築:7,000~9,000円程度
  • 葺き替え:15,000円程度
  • カバー工法:10,000円程度

各工法の特徴

新築の場合、何もないまっさらな状態で屋根を載せます。
葺き替えとは、屋根リフォームの一つですが、既存の屋根を撤去したうえで、新しくガルバリウム屋根を載せる方法です。
新築に比べて、屋根を撤去する工賃や処分費用がプラスされます。

カバー工法とは、既存の屋根の上から被せる工法です。
既存の屋根がデコボコのある屋根瓦では難しいですが、トタン屋根やスレート屋根でも、上から被せることが可能です。
既存の屋根材の撤去費用や処分費用がかからない分、葺き替えより安く済みます。

カバー工法は、費用が安く、屋根が二重になるので台風などの災害に強くなる点がメリットです。
一方、重くなるので耐震性が低下するリスクがありますが、ガルバリウム鋼板は素材自体が軽量なので、カバー工法にも適した素材です。

ガルバリウム屋根の施工費用の注意点

屋根工事においては足場代などもかかるので、トータルの費用はもっと高くなります。
たとえば、施工面積70平方メートルほどのよくある一般的な木造住宅で、ガルバリウム屋根で葺き替え工事を施工する場合を考えてみましょう。

ガルバリウム鋼板の価格に加えて、既存屋根の撤去費用や足場代が加算されます。
これらを合計した120~240万円が目安です。

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まとめ

ガルバリウム鋼板は耐久性が高く、耐水性や防火性に優れた素材です。
ガルバリウム屋根のメリットは軽量で耐久性に優れており、耐震性も高く、加工が容易なので、さまざまな形状の屋根に適しています。
デメリットは、遮音性や断熱性が低いこと、通気性が悪いことです。

ガルバリウム屋根の施工費用は1平方メートルあたり5,000円~7,500円が相場で、これに加えて足場代などの費用が加算されます。
葺き替えなのか、カバー工法かによっても異なりますが、耐用年数が長いので中長期的に見れば低コストな素材です。

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