地下水は、建物の基礎にとって大きな脅威となります。
適切な排水対策が講じられなければ、基礎の腐食や沈下を引き起こし、建物の安全性に深刻な影響を与える可能性があります。
そこで重要な役割を果たすのが、釜場(かまば)と呼ばれる地下水排水設備です。
釜場(かまば)とは?
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釜場(かまば)とは、あるカ所に水を集めて一気にポンプで排水できるように、他部分より地盤面を下げた窪みのことを指します。
一般的には、建物の基礎部分に設けられ、井戸のような形状をしています。
根切り後、地盤から地下水が湧き出すことがあります。
基礎工事を進めたいのに水が湧き出ていると、工事が止まってしまいます。
そこで、地下水を効率的に排水するために重要な役割を果たすのが「釜場(かまば)」です。
ピットとは?釜場との違い
建物の設備を収めるための地下や床下のスペースを指します。
よく使われるピットの種類
- 電気ピット:電気配線やケーブルを通すためのスペース
- 機械ピット:機械設備(ポンプなど)を設置するスペース
- 給排水ピット:排水管や水道管などを配置
- 受水槽ピット:受水槽を設置
- エレベーターピット:エレベーターの最下部の空間
「ピット」と「釜場」はどちらも建設現場で使われる言葉ですが、目的がまったく異なります。
ピットは、電気配線や排水管、機械設備などを収めたり点検したりするために、建物の中につくられる恒久的なスペースです。
一方で、釜場はコンクリート打設や鉄筋作業などを行うために、工事中だけ地面を掘ってつくられる一時的な作業スペースです。
つまり、ピットは設備のために完成後も残る空間、釜場は作業のために“工事中だけ使う穴という違いがあります。
釜場のメリット・デメリット
釜場は、安価で施工が容易な地下水排水設備として広く利用されています。
しかし、その一方で、いくつかの短所も存在します。
メリット
- 安価
他地下水排水設備と比較して、初期費用や施工費用が安価です。 - 施工が容易
複雑な構造ではないため、比較的短時間で施工できます。
デメリット
- 水切りが難しい
掘削底面を乱さないように水を切るのが難しく、うまく処理できなければ基礎工事に支障をきたす可能性があります。 - 濁水・土砂の発生
掘削や排水によって濁水や土砂が発生し、処理が必要になります。
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まとめ
地下水は、基礎工事の進行や建物の安全性に大きな影響を与えるため、適切な排水対策が欠かせません。その中でも「釜場(かまば)」は、地下水を一時的に集めて排水するためのシンプルで効果的な設備として、多くの現場で利用されています。
一方で、建物完成後も利用される「ピット」とは目的が大きく異なり、釜場は工事中だけ使われる排水用の窪地、ピットは設備を収めるための恒久的な空間という明確な違いがあります。
釜場はコストが低く施工もしやすい一方で、水切りの難しさや濁水処理の手間といったデメリットもあります。現場の条件や地下水の状況に応じて、最適な排水方法を選択することが重要です。








