建設現場でよく耳にする「損料」という言葉。
なんとなく経費に関係するものと理解していても、実際の定義や計算方法、賃料との違いまでは理解できていない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、建設業における損料について分かりやすく解説します。
損料とは?
損料とは、建設業において、建設機械等の償却費、維持修理費、管理費などを含めた一日当たりの純粋な消耗費用を指します。
簡単に言えば、自社所有の建設機械を現場で使用するために必要な経費を、1時間当たりまたは1日当たりに換算したものです。
つまり、損料は建設機械を保有することによって発生する経費であり、リース会社からレンタルした機械にかかる賃料とは異なります。
損料の構成要素
損料は、以下の3つの費目で構成されています。
費目①【償却費】
建設機械を購入した際に支払った費用を、耐用年数で按分して計上した費用です。
費目②【維持修理費】
建設機械を稼働させるために必要な点検、修理、整備にかかる費用です。
費目③【管理費】
建設機械の管理、保険料、諸雑費などにかかる費用です。
損料の計算方法
損料の計算方法は、国土交通省が定める「建設機械等損料算定表」に基づいて行われます。
この算定表には、建設機械の機種、型番、耐用年数、標準稼働時間、標準修理費率、標準管理費率などが記載されており、これらの情報に基づいて1時間当たりまたは1日当たりの損料を算出することができます。
建設機械等損料算定表の詳しい内容はこちら
損料の種類は2つ
損料には主に2つの種類があります。
1つ目は「運転損料」と呼ばれるもので、機械を運転する際に生じる費用を指します。
運転損料は、償却費の半分と維持修理費を合算することで求められます。
2つ目は「供用損料」で、これは機械を所有する際に発生する費用です。
供用損料は、償却費の半分と管理費を合算して算出されます。
損料と賃料の違い
損料は、自社所有の機械に関連する一日当たりの純粋な消耗費用であり、償却費や維持修理費、管理費などを含みます。
一方、賃料は、リース会社やレンタル会社から機械を借りた際に支払われる料金です。
この違いは、自社所有の機械を使用する場合とレンタルする場合の積算基準によって決定されます。
損料 | 賃料 | |
---|---|---|
対象となる機械 | 自社保有の建設機械 | リース会社からレンタルした建設機械 | 経費の内容 | 償却費、維持修理費、管理費 | リース料金 | 計算方法 | 国土交通省が定める「建設機械等損料算定表」に基づく | リース会社が定める料金表に基づく |
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まとめ
損料は、建設業者が所有する建設機械にかかる経費であり、施工に要する標準的な機械経費算出のために設定されています。
損料は、公共工事の積算や請負契約の締結などに用いられます。また、民間工事においても、積算や請負契約の際の参考資料として用いられることがあります。
損料と賃料は、建設機械にかかる経費ですが、対象となる機械、経費の内容、計算方法、用途などが異なります。
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