手形とは?小切手との違いやルール、メリット・デメリットをご紹介

手形とは?小切手との違いやルール、メリット・デメリットをご紹介

企業によっては、手形を利用して取引しているケースもあるのではないでしょうか。
実は、手形は、政府の中で廃止の動きがあり、今後は使えなくなってしまう可能性も大きいものです。
しかし、使い方によって非常に便利なものでもあります。

こちらの記事では手形とは何か、手形の種類やメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。

手形とは

手形は取引を行った際にすぐ現金で支払うのではなく、額面上で決まった金額を約束した期日まで支払うと約束したものを指します。
すぐにまとまったお金が準備できない時に、手形は大変便利です。

銀行口座にお金が十分入っていればすぐに支払えますが、さまざまな事情で後からまとまったお金が入ってくるケースもあるでしょう。
後から入ってくるお金を手にしてから支払わなければいけない金額を支払うように設定して、手形を渡すことが可能です。

昔は手形での取引が多かったのですが、近年は減ってきています。
1995年をピークに、今では年々減少しているのが現実です。

小切手との違い

手形は、一見小切手と似たようなものに感じてしまうかもしれませんが、小切手のようにすぐ現金化することはできません。
支払期日が事前に決まっているため、それよりも早くお金がほしいと思っても手にできません。

小切手の場合は、受け取った人がすぐに現金化できるため、ほしいと思ったタイミングで当座預金残高をもとに振り出せます。
早く現金化したい場合は小切手が有利です。
手形は、小切手に比べて期日の面では不利な部分があるため、手形割引を行う企業もあります。

手形の種類

手形といってもいくつかの種類があります。
ここからは、主な手形の種類についてご紹介していきます。

約束手形

約束手形とは、振り出した側が受け取った側に対して、支払うと決めた日にお金を出すと約束した書類を言います。

お互いに約束時点では、お金が用意できなくても問題ありません。
期日になるまではお金がなくても、しっかりと約束の日に支払いがされれば成立します。

為替手形

為替手形の場合、振出人と受取人の二者間ではなく代金支払い手の名宛人も関わってきます。
そのため、ほかの手形の方法に比べてやや複雑になっています。

しかし、実際に支払う際には、振出人が名宛人に受取人への代金支払いを行ってしまうだけでスムーズです。
ただし、受取人は、金融機関に行って、お金を受け取らなければなりません。
二者間で行う取引に比べると少し手間があります。

支払手形

支払手形は、定めた期日に金額を支払うことを約束した書類の総称です。
約束手形も、為替手形も、支払手形の種類の一つであることになります。
一定期間の支払いをまとめて行うかけ取引の際によく利用されます。

手形は、代金を支払う側から見た時に、支払手形と呼ばれます。
同じ手形であっても、支払う側からでなければ呼び名は別です。
受け取り側から見れば受取手形となります。

取引も簡単で、振出人は手形を渡し、受取人はお金をもらうために手形を金融機関に出すだけで問題ありません。

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手形取引の流れ・ルール

手形で取引を行う場合、決められたルールがあります。
ここからは、手形取引の流れとルールについて詳しくご紹介していきます。

手形取引の流れ

手形取引の流れは、どの種類を選ぶかによって多少変わってきます。
基本的には振出人が受取人にいつまでに支払うか記載した手形を渡し、受取人は約束した支払期日以降に金融機関でお金に変えることができます。
為替手形になると、三者間で行うため工程も多いです。

手形の注意点

手形でやり取りする際には、いくつかの注意点があります。
ここからは、どんな注意点があるのかご紹介していきます。

支払期日の設定に注意

まとまったお金が入ってくることを加味しながら支払期日を決めるかもしれませんが、手形の支払期日は給付受領日から60日以内とルールが設けられています。
もしお金が入ってくるのが2ヶ月以上も先の場合は、60日以内には支払えないため手形が使えません。

本来はすぐに入ってきても良いはずのお金を相手も待ってくれている状態ですので、早めの支払期日設定が大切です。
受け取る側も支払期日の設定が長い場合、すぐにお金が入ってこないことにより経営困難に陥ってしまう可能性があります。

収入印紙が必要な場合がある

手形の金額によりますが、別途収入印紙が必要になってしまいます。
特に10万円以上になる場合は、収入印紙が必要となります。
法律で決められているため、税金として支払わなければなりません。

国税庁『No.7103 約束手形又は為替手形』

収入印紙代は、手形の振出人が負担することになっています。
振出人の都合で後からお金を支払う手形になっていますので、振出人が負担します。
消印も押さなければなりませんが、必ずしも銀行届出印でなければならないことはありません。

手形取引のメリット・デメリット

手形の取引には、メリットとデメリットがあります。
ここからは、メリットとデメリットについて詳しく見ていきましょう。

手形取引のメリット

手形取引を行うメリットは多く、昔から利用されてきました。
メリットについていくつかご紹介していきます。

支払いを先延ばしにできる

企業はさまざまな取引先とやり取りしているため、時にはお金が十分に口座に用意できない時もあるでしょう。
すぐに支払えない時でも手形取引があれば、後でお金を出すことが可能になります。

取引したい時にお金がなくても、最長60日であれば支払いを待ってもらえます。
自社の資金繰りが上手にいくように考えながら取引することも可能です。

社会的信用が得られる

手形を振り出すのは、どの企業でもできるわけではありません。
ほとんど資金もなく危ない企業が簡単に出せてしまったら、取引先も破綻してしまいます。

まず手形を振り出すためには、当座預金口座を開設した銀行の与信が必要です。
手形を振り出せるのは、信用が高い証でもあります。
取引先からも安心な企業だと、社会的信頼を得られます。

金利が発生しない

本来、お金を銀行から借り入れする場合などには必ず金利が付いてきます。
しかし、手形の取引においては、60日以内で支払いの期日を設定でき、さらに金利も発生しません。

1日からでも金利が付く金融機関に比べて、お得に支払いができます。
金利分の仕分けもしなくても良く、経理処理も楽です。

手形取引のデメリット

手形取引にはメリットも多いのですが、残念ながらデメリットもあります。
ここからは、どんなデメリットが発生してしまうのかご紹介していきます。

印紙代などコストがかかる

手形には金利がありませんが、額面に応じて収入印紙代が別途かかってしまいます。
手形の振出人は、収入印紙代を別途負担しなければなりません。

印紙代は額面がいくらになるかで変わってきますが、金額によっては20万円必要になってしまう場合もあります。
金額によっては決して安くない金額になるため注意が必要です。

不渡りによる倒産のリスクがある

計画的にお金を準備できれば良いのですが、手形の支払日までに約束した金額を入金できていなかったら大変です。
不渡りが起こったと、金融機関が知ってしまい信頼を失います。

さらに、半年の間に2回も不渡りを起こしてしまったら、2年間も金融機関との取引ができなくなってしまいます。
お金がほしい時に、追加融資も受けられなくなってしまうため注意が必要です。

手形のジャンプを起こす可能性がある

約束した期日までにお金を支払うと約束していながら、その日まで資金を準備できない可能性もあります。
その場合、支払い期限を延長する手形ジャンプが起こるかもしれません。
受取人にどうかもう少し待っていてほしいと、期日の延長をしなければなりません。

手形ジャンプをしてしまうと、信用を失い今後にもつながってきます。
約束した期日を守れるように、計画的に行うことは重要です。

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手形は廃止される可能性がある

手形は昔に比べたら利用している企業が減ってきているものの、まだまだ使っているところも多いです。
しかし、実は現在、政府が主導となり廃止が検討されています。

目途は2026年と言われており、まだ正式決定ではありませんが、もしかしたらこの時期には手形が廃止されてしまうかもしれません。
今まで支払いの期限を金利なく延長でき使いやすいと思って利用していた企業は、もし廃止してしまった場合には手形が使えなくなってしまいます。

手形取引自体、お金がすぐに入ってくるわけではないため、受取人の負担が大きいともされています。
少しでも負担を減らすために、すぐにお金を振り込めない時には電子手形で支払うのがおすすめです。

手形を従来通りのやり方でよく利用している企業は、支払い方法を見直しておくと安心です。

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まとめ

手形を利用すれば、すぐに資金が準備できない場合でも取引が可能です。
最長60日以内であれば金利がかからない状態で支払いを待ってもらえるため、利用している企業も多いかもしれません。
手形には、約束手形や為替手形などがあり、取引に合ったものを使いやすく便利です。

また、どの企業でも手形が使えるわけでなく、審査を通過し、社会的に信用がないと使用できません。
そのため、取引先の信用も得られます。

しかし、不渡りの倒産や手形ジャンプのデメリットも多いことから、政府が主導で2026年には手形が廃止される可能性があるため注意が必要です。
よく利用している企業では、従来の手形支払いではない方法を検討しておくと良いでしょう。

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AIPPEAR NET 編集部

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