多くの顧客にとってリフォームは初めての経験です。
試行錯誤の中で営業やリフォーム会社とともに進めていくなかでは、当然ながら「思っていたのと違う」というようなギャップや理想との乖離が生まれます。
今回は、そんな顧客の様々な後悔、失敗経験を紹介しながらリフォーム会社の営業が出来ることを探ります。
目次
顧客の後悔①「見積書以外の費用を見落としてしまう」
リフォーム工事には規模によっては様々な業者が関わります。
リフォーム会社で掛かる予算以外にも、それら関連業者に掛かる予算が必要な場合があり、見積書には「〇〇工事費別途」などと記載することも多いでしょう。
ところが、この認識を顧客が持っていないケースがあります。
「リフォームにいくら掛かるか聞いて見積書作成を依頼しているのだから、リフォーム業者からもらった見積書に出ている金額がすべてだ」と思われている可能性があります。
リフォーム業界に長く務める営業なら違和感を覚える考え方かもしれませんが、一般の顧客の場合これが普通の認識です。
対策:「追加費用が出る」だけでなく、概算でもいいから金額を伝えること
注意しなければならないのは、この点についていくら明確に説明したところで理解できない顧客は一定数居るということです。
理想のマイホームを実現するために予算をギリギリまで捻出しようと頑張っている顧客からすれば、事前に話を聞いていたとしても理解しにくいものです。
「ガス工事は別業者に頼むので、他にもいくらかかかりますよ」では記憶に残りません。
仮に見積提出時期を遅らせてでも業者確認をしたうえで詳細見積書を提出するか、過去の施工事例から概算金額を伝えることが重要です。
「概算なので上下するでしょうが、過去事例のこういう御宅ではガス工事に別途〇〇円かかったようなのでそれくらいの追加は意識しておいてください」
これを過去事例の細かい数字を見せながら伝えておけば、少なくとも顧客の「聞いてなかった!」というリアクションは減るはずです。
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顧客の後悔②工事内容を思い切って1つ上にグレードアップしておけばよかった
リフォーム工事は部材建材、住設機器などさまざまなものを顧客と一緒に選んで決めていくものですが、良いものをあれもこれもと採用していると費用が高額になってしまいます。
現実的に出せる費用と、やりたい工事の間で顧客は悩んでおられます。この時の「妥協」があとから後悔に繋がるケースが多いようです。
- 予算オーバーだから食洗器つきのシステムキッチンを諦めたけど、思い切って選ぶべきだった
- ユニットバスを設置する際に予算を気にしてしまったけど、後から考えると保温浴槽タイプすればよかった
- フローリング床、床暖房にしておけばよかった
浴室、フローリング、キッチンなどはそう何回もリフォームする場所ではありません。
たいていの場合は1回きり、今回を逃せばもうあと何十年かはリフォームしないのが普通です。
対策:「後悔する人が多い」くらいのことは伝えてあげる
正直ここはそれぞれの顧客が「工事したうえでしか感じられないこと」なのかもしれません。
顧客に後悔してほしくないという想いで営業がアプローチしすぎると、押し売りのようにも見えてしまいます。
営業としては難しいラインですよね。
とはいえ、少なくとも「同じ状況で後悔される方がいる」ことは伝えてあげましょう。
どうしても悩み続けてしまう場合には、「何がネックになって判断できないのか」を聞いてみるのも1つの手です。たいていの場合は「予算オーバー」という話ですが、実際のところその追加費用分で路頭に迷うケースは少ないはずです。
追加費用分を例えば月々換算してみて、考え方をスモールダウンさせてみると思いのほかすんなり決断するかもしれません。
顧客の後悔③一番安いと思って頼んだ業者なのに実は高かった
顧客にとってリフォーム工事は人生でも1,2を争うほど大きな買い物になることもあります。
リフォーム業界に従事していれば、「相場を逸脱した安さ」に裏があることはなんとなく見抜けてしまいますよね。
- 工事の一部を「追加工事分」として当初見積もりに含めていない
- 要望の一部を削って見積もりを作っている
- その金額でやってくれはするものの施工業者の質が低く、満足いく出来にならない
たいていの場合は、要望に沿う見積書だと言いながら一部金額を隠していたり、安くしている分品質が下がる部分があります。
対策:顧客に「相見積もりの取り方」を伝えましょう
こういった後悔(場合によってはトラブル)が起きるのは、顧客の中で相見積もりに対する誤解があるからです。
基本的に、おなじ工事ならだいたいこの程度は費用が発生するという「相場」があります。
相見積もりはこの「相場」に対して、逸脱するほど高額ではないか(あるいは安すぎないか)を確認するためのものです。
ここを理解せずに、入札のような感覚で安いものを探してしまうとトラブルに巻き込まれます。
まずは顧客に「相見積もりは相場を知り、そこから外れていないかを見るもの」ということを伝えましょう。
そのうえで、どのように相場を知るのかを教えてあげれば顧客の後悔も少なくなるはずです。
見積内訳書に書かれた工事内容や範囲、費用別になっているものなど目を通す場所も伝えてあげます。
少し手間ではありますが、こうすることで顧客の後悔を減らせます。
正しい相見積もりの取り方をしたうえで顧客が別業者に行かれてしまったなら、反省のしようもあるというものです。
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まとめ
顧客は人生の中でも1,2を争う大きな買い物をするために様々なことを調べて、学んで(何なら業者を疑いながら)、工事を依頼してくださります。
そんな時に後悔が起きないように営業が努力することは、目先の利益以上のブランディング(会社の印象向上など)に繋がるものです。
「後悔は顧客側の勉強不足」なんて冷たいことは言わずに、何が出来るか考えてみるところから始めてみるのもいいかもしれませんね。
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