次々と進化する現代の情報社会では、顧客がより自分自身に合う商品を選択する為、調査し購入する傾向が見られます。
こうした傾向から、企業と顧客の双方にとってより良い商品の取引を可能とし、マーケティングの効率化を図る為に「ターゲットマーケティング」が用いられています。
今回は、ターゲットマーケティングとは何か、そしてその効果と手順をご紹介します。
目次
ターゲットマーケティングとは
買い手の意識、流行、政治や経済・環境変化などを通じて、市場は常に変化しています。
その流れを読み取り、的確に対応するためのマーケティング手法がターゲットマーケティングです。
ターゲットマーケティングでは以下の3つのプロセスを踏むことが必要です。
- セグメンテーション
- ターゲティング
- ポジショニング
セグメンテーションとは
市場には多くのニーズが存在します。
分析するために、まずは市場全体を細かく区分することをセグメンテーションといいます。
ここでは、年齢・性別・住んでいる地域・趣味・仕事・家族の有無など思いつく限り挙げましょう。
ターゲティングとは
その中で、自社の製品やサービスに応じてターゲットを絞りこむことをターゲティングといいます。
例えば「地域」という区分であれば「大阪」「東京」「海外」などで、「地域という区分の中で自社製品がどこをターゲットにしているのか?」という情報を整理することがターゲティングです。
ポジショニングとは
ターゲティングによって絞り込まれた市場は、標的市場を呼ばれます。
最後に、自社の製品と標的市場のニーズを適合することをポジショニングといいます。
自社の製品は市場のニーズに応えているか、応えていないポイントはどこで、どう変更できるかを考えていきましょう。
マーケティングの手法に関する記事はこちら
ターゲットマーケティングの効果
ターゲット・マーケティングを実施することにより下記の効果があります。
①顧客満足度アップ
ターゲット・マーケティングによって、顧客ニーズが顕在化し、対応が容易になるため、
お客様に合わせた対応を行う事が可能になります。
また、客層も絞られているため、お客様は「これは自分のためのサービスだ」と感じるようになり継続・リピート率アップにも繋がります。
②競合会社との差別化
ターゲットを絞りこむことで競合会社がどこなのかが明確になります。
競合会社との違いが出しやすくなるため、お客様に選んで頂くことに繋がります。
③コストの有効活用
市場を絞りこむことで、資源(ヒト・モノ・カネ・情報等)を適切な市場に集中できます。
全体をカバーしない分、自社のターゲットセグメント以外にコストをかける必要がなくなり、効率よく商品の向上を図ることができます。
ターゲットマーケティングの進め方
それでは、実際にターゲットマーケティングはどのように進めたらよいのでしょうか。
ここでは、基本的な手順とポイントをご紹介します。
市場を細かく区分する(セグメンテーション)
セグメンテーションでは市場を細かく区分することを通じて、市場にある欲求(ニーズ)を探しあてることが目的になります。
市場を区分することで複雑化された欲求を整理し、どのような顧客がいるのを明確にしていきます。
例>市場の細分化
- 地域
- 年齢
- 性別
- ライフスタイル
- 趣味
- 仕事
ターゲットを絞る(ターゲティング)
ターゲティングで、標的とするセグメントをいくつか特定することになります。
「自社の強みが十分に発揮できる市場か?」「将来性のある市場か?」というポイントで考えましょう。
ターゲット市場の選定方法は下記のように区分されています。
POINT01
無差別マーケティング
セグメンテーションを全く考慮しないで、全てのセグメントを対象にする方法です。
日本ではバブル景気時代に多く取り入れられた方法で、品不足のためにどんな商品でも購入されるケースが多かったため、できたアプローチになります。
近年の情報社会ではインターネットを通じて「買い手のほうが多くの情報を持っている」こともあり、あまり通用しなくなってきたようです。
【市場の大きさ:大】
POINT02
差別化マーケティング
複数の市場セグメントをターゲットとして、各市場に別々のリソース(商品・サービス)を投じ市場全体をカバーするアプローチです。
【市場の大きさ:中】
POINT03
集中化マーケティング
1つ、もしくは少数のセグメントに自社のリソースを集中させることにより、限られた市場で効率よくアプローチする方法です。
【市場の大きさ:小】
CHECK!
事例
市場ごとに市場の規模、将来性、アプローチ方法、自社の経営資源を考える場合の簡単な例(「インターネットの商品(スマホカバー)」)をご紹介します。
セグメント【年齢:20歳~30歳】
- 市場ごとの規模:2000万人(適当)
- 将来性:興味関心あり
- アプローチ方法:インターネット
- 自社の経営資源:社員、時間、商品
セグメント【年齢:60歳~70歳】
- 市場ごとの規模:3000万人(適当)
- 将来性:どんどん関心はなくなりそう
- アプローチ方法:インターネット
- 自社の経営資源:社員、時間、商品
「60歳~70歳は市場規模は大きいが、興味関心が低そうで、将来性もないため、年齢は20歳~30歳をターゲットにする」等、様々な分析が可能です。
商品の位置づけ(ポジショニング)
ポジショニングでは、お客様に対し自社の製品・サービスをどうアプローチするか考えます。
競合分析・自社分析・外部要因を通じて、どうすればお客様に「他社とは違う」「これは自分のためのサービス」だと思ってもらえるか検討していきます。
競合分析や自社分析など、現状を分析するためのマーケティングフレームワークは下記のページにまとめてあります。
貴社の現状や環境に合わせて最適なフレームワークを活用してください。
フレームワークに関する記事はこちら
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最後に
ターゲットマーケティングは簡単にできるマーケティング手法ですが、効果は抜群です。
特に中小企業に関しては、ターゲットの選択が会社の生命線ともいえるのではないでしょうか?
現状分析のフレームワークと組み合わせて、最適なターゲットを設定してください。