マネジメントとは
マネジメントとは、組織が成果をあげるための手段や管理を意味します。
具体的には、自分が管理する組織の部下の能力を最大限に引き出し、組織として、成果を出します。
マネジメントはいくつかに分解する事ができます。
- 目標管理マネジメント
- 業務進捗管理マネジメント
- チームマネジメント
- 人材育成マネジメント
- メンタルヘルスマネジメント
①目標管理マネジメント
自分が管理する組織の目標を達成するために、その組織での、短期、中期、長期の目標を設定する必要があります。
目標の設定には、定性・定量の両方を設定します。
その際に、評価基準を明確にしておきます。
これを忘れると、信憑性のない数値となってしまうため、注意が必要です。
また、その目標を達成するためには、どのような行動やスキルアップが必要かなど、事前に部下と話しあい、定期的に、現状の確認をするといいでしょう。
②業務進捗管理マネジメント
組織・部下の目標のを達成のための、業務のフォローやサポート、環境を整えます。
進捗状況や部下の課題を管理し、最大限にパフォーマンスを発揮できる体制を整えます。
具体的には、日報、週報、月報や予実管理を行い、状況を把握します。
部下の良かった点や、悪い点に注目し、適切なアドバイスをすることで、パフォーマンスを向上させます。
また、定期的に方向性がずれていないかなど、チェックも必要です。
③組織マネジメント
部下同士のコミュニケーションや業務の連携がスムーズに出来ているをチェックし、全体のパフォーマンスを向上させます。
仲の悪いメンバーをそのままにしておくと、業務効率の低下だけではなく、内部分裂など、大きなダメージを負ってしまうこともあります。
日ごろから、メンバーの様子を確認し、調整することが大切です。
また、メンバーの向き(ゴール)を同じ方向に向かせる事や、雰囲気作り、士気を高めることで、チーム内でお互いに協力し、成果を上げることができます。
④人材育成マネジメント
人材を育成することで、現状は出来ない事や、新しい事が出来るようになります。
そのために、失敗を恐れずに、多くのことをメンバーにチャレンジさせる必要があります。
また、自主的に勉強が出来る環境や、道筋を用意するのも、マネジメントに必要な要素です。
研修や通信教育、外部との交流など積極的に参加を促すと良いでしょう。
特に、外部の交流は様々な知識や、刺激を受けるため、メンバーの成長につながります。
⑤メンタルヘルスのマネジメント
部下の体調管理、メンタル管理もマネジメントの役割です。
現代では、鬱病にかかる人も多く、メンタルケアの重要性は高まっています。
そのためにも、部下の状態を観察し、相談をしやすい環境を用意する必要があります。
また、一人ひとり、悩みは違うのため、問題解決力も必要になってきます。
一度、鬱病にかかってしまうと完治するには非常に時間を要するため、日ごろからメンタルケアを実施してください。
メンタルヘルス・組織マネジメントに関する記事はこちら
マネジメントに必要な能力
マネジメントに必要な能力はどのようなものか見ていきましょう。
傾聴する能力
傾聴するとは相手の話を注意深く、能動的に聞くことです。
まずは、部下が正直に、話してもらえるような関係性を築く必要があります。
そのためには、部下の話に興味を持ち、最後まで話を聞くことが重要です。
最後まで、話を聞かずに、この人は、こうだとか、勝手な決めつけや、間違ったアドバイスをしないように注意することが大切です。
相手を尊重し、相手の立場になって物事を捉えるように意識してください。
質問力
部下が伝えたい事を、しっかり伝えれるとは限りません。
上司が、部下が伝えたいこと、本当に思っていることが引き出すことが必要です。
そのためには、コーチングを学び、相手の気持ちを引き出す術を覚えておくと良いでしょう。
よくありがちなケースだと、勝手に部下はこうだという風に決めつけ、言いたいことが言えない状態に陥ったりすることがあります。
フィードバックする能力
部下の現状を把握し、考えを理解した後は、その事についての、フィードバックをする必要があります。
より良い、フィードバックをするには、場合によっては、専門的な知識が必要になってきます。
部下より知識がない状態で、優れたフィードバックをする事は難しい時があります。
上司である以上、レベルの高い知識・経験を積んでいた方が良いでしょう。
しかし、部下の方が、業務知識が高い可能性は十分にありえます。
その部分は、部下に正直に伝え、現状できる範囲で、フィードバックする必要があります。
信頼を築く能力
私はあなたを信頼しているからね!という発言をよく耳にします。
その言葉とは、逆に、信頼しているとは思えない行動をとることはないでしょうか?
部下を信頼し、信頼される関係とは、普段の行動や、言動が重要です。
一方的な信頼ではなく、互いが信頼できる関係を築く必要があります。
そのためには、日頃から下記のようなことを意識してください。
- 部下に対しての約束を守る。
- 信頼している事を行動で表す。
- たくさん褒める。必要なときは叱る。
- 定期的にコミュニケーションをとる
問題解決力
マネジメントをする上で、組織の問題を発見し、課題を解決する必要があります。
その能力の一つに「ロジカルシンキング」があります。
ロジカルシンキングとは、問題を分解して整理することで、仮説の検証に必要な情報と分析作業を明らかにし、適切な判断によって結論を導き出します。
感情的ではなく、論理的に思考することです。
マネージャーや上司も、人間です。
感情的に物事を判断してしまうこともありますが、論理的に物事を冷静に捉え判断するこで、問題の本質を発見し、課題を解決することができます。
プロジェクトマネジメント能力
プロジェクトとは、新商品の開発などのために期間を設けて、チームで活動する業務のことをいいます。
プロジェクトをゴールに導くためには多くの、知識や経験が必要です。
- スケジュールを管理する
- ゴールを定義し、それまでに必要な業務を整理する力
- 業務を進める上で、課題を発見し、解決する力
- プロジェクトメンバ間の連携・士気を高める力
- ゴールまでに必要な専門的知識・技術力
- 問題が起こったときに、判断力・決断力
現場レベルのマネジメントができる上司は信頼されやすく、重要な能力となります。
リーダーシップ
マネジメントには、リーダーとして、チームを先導し、成果を上げる能力が必要です。
リーダーシップには様々な方法があり、チームに適したリーダーシップを発揮しなくてはいけません。
自らが模範となることで、メンバーの能力を最大限に引き出し、チームとして成果を上げてることが可能です。
ファシリテーション能力
ファシリテーション(facilitation)とは、人々の活動が容易にできるよう支援し、うまくことが運ぶよう舵取りすること。
集団による問題解決、アイデア創造、教育、学習等、あらゆる知識創造活動を支援し促進していく働きを意味します。
その役割を担う人がファシリテーター(facilitator)であり、会議で言えば進行役にあたります。
ファシリテーション能力を磨くことで、会議だけではなく、業務の全体像を把握し、組織を動かすことができます。
メンバー一人ひとりに目を配り、業務をスムーズに進めてください。
プレゼンテーション能力
プレゼンテーションとは翻訳すると表現・提示・紹介という意味。
自らの意志を他社に伝達するための能力です。
プレゼンテーションの表現手段としては、スケッチ、図表、図などの二次元的手法のほか、モックアップ(模型)などによる三次元的手法があります。
部下や周りに自分の考えを伝える力はマネジメントに不可欠です。
自分の考えを正しく伝え、全員が同じ方向で業務を進めることができるだけではなく、メンバーの士気を高める事もできます。
また、商談時にも活かされる能力です。
コーチング力
コーチングとは、一方的に指導することや知識を与えることではなく、自発的行動を促進するコミュニケーションです。
職場で活用する場合は、指導ではなく、部下自ら自分の気持ちやビジョンに気付くことができるように質問をします。
自身で、やりたいことや、目標を設定することで、ヤル気が向上されます。
ただし、常にコーチングが良いわけでは、ありません。
指導が必要な場合も多く、バランスが重要になってくるため、注意してください。
指導力
部下の中には、知識がなく、方向がずれていたり、成長がストップしてしまっている者もいます。
そのような場合は、コーチングでは、対応できない場合があり、適切なアドバイスをすることで、部下の方向を調整し、成長させる必要があります。
コーチングとティーチングの使いわけが必要です。
また、ルールを守らない部下や、職場の雰囲気が緩んでることがあります。
この場合、真面目な部下にも伝染することもり、放置していると、士気が落ち、生産性も下がってしまいます。
駄目なときは、駄目だとはっきり注意し、組織全体を導ちびく力も必要です。
近年、パワハラという言葉がはやってきたのもあり、厳しい対応ができないという悩みを聞きますが、指導とパワハラは全く異なります。
誠実に言葉を選んで発言すれば、パワハラと捉えられることはありません。
マネジメント能力を高める方法
これまで述べてきたマネジメントに必要な能力を高めるにはどのようにしたらよいのでしょうか。
この章では、能力向上のために必要な方法を順に述べていきます。
①ペーシングと傾聴
ペーシングとは、相手の話し方や状態、呼吸などを自分を合わせることです。
具体的には、声の大きさ、イントネーション、呼吸、話すスピード、感情を合わせます。
相手の言葉に、ペーシングすることで、自分を理解してくれているという安心感や一体感が生まれ、信頼を築くことができます。
ペーシングを普段から意識し、コミュニケーションをとることで、ファシリテーション力、コーチング力など、マネジメントに必要なコミュニケーション能力を高めることができます。
②ディズニーストラテジー
ディズニーストラテジーとは、「ドリーマー(夢想家)」、「リアリスト(現実家)」の「クリティック(批評家)」3つの視点から、目標や計画を達成する能力のことです。
ディズニーストラテジーを意識することで、問題発見・解決力・プロジェクトマネジメント能力を高めることができます。
- ドリーマー(夢想家):長期的な、大きな未来を語る。わくわくするような夢や期待など発信することで、新しい発見を生み出す。
- リアリスト(現実家):目標やビジョンを現実にするため、どのような事が必要なのか?を考え、計画を詳細まで考え実現するための道筋を準備する。
- クリティック(批評家):建設的な批判を用いて、問題点やリスクを発見し、目標を達成するための確率を高めます。
この3つの視点、全てをもつが出来ないと、目標達成率は落ちてしまいます。
ドリーマー(夢想家)が多く出ている人は、クリティック(批評家)を避けてしまうケースが多く、それでは、質を落としてしまいます。
3つの視点をバランスよく使い分けるといいでしょう。
③ポジション・チェンジ
ポジション・チェンジとは、自分の視点である「第1ポジション」、相手の視点である「第2ポジション」、第三者の視点である「第3ポジション」の3つのポジションを意識し、物事を考え、イメージすることです。
これらを意識することで、リーダーシップやファシリテーション力を高めることができます。
ポジション・チェンジは職場だけではなく、どんなコミュニケーションにも効果を発揮できるため普段から意識しておくといいでしょう。
④インバスケット思考
インバスケット思考とは、ビジネスに必要な能力を向上させるための思考トレーニングです。
インバスケット思考を行う際に下記のルールがあります。
問題を設定するとき、実際に思考するときのルールとなります
- 架空の人物・環境をイメージし、それになりきる
- 制限時間を設定し、時間ないで思考する
- 自分で課題を設定し、その解決策を自分で考える
- 自由回答の形式で考える。答えは一つではない
具体的には、実際に予想されるビジネスシーンから、タスクを洗い出します。
そのタスクを、どのように処理していくのかを、時間制限つきで、必ず答え見つけ出そうとします。
自分自身で、問題を発見し、解決することを何度も、トレーニングすることで、問題解決力、判断力を高めます。
インバスケット思考で鍛えておくとで、実際の現場で、素早く、正確な判断を下せるようになります。
※インバスケットとは、未対応となっている業務書類がたまっている箱のこと
信頼されるマネージャー
マネジメントに必要な能力を紹介しましたが、上記の能力を踏まえ、部下に信頼されるための要素をご紹介します。
現場レベルの能力に長けていること
マネージャーとして、部下の仕事内容を把握し、的確なアドバイスができることは重要です。
仕事内容を把握できていない場合、間違った評価や、アドバイスをしてしまい、部下から信頼されるのは難しいでしょう。
また、問題が発生したときに、解決する力がなければ、相談すらされない可能性もあります。
常に、最新の情報にアンテナを張り、現場レベルで物事を捉えれる事ができれば、信頼されるマネージャになれます。
有言実行でいること
部下に伝えたことは、必ず実行するようにしてください。
もし、何かの理由で出来ないときは、必ず理由を伝え、理解を得る必要があります。
そうでなければ、この人の言う事は、信頼できないと思われてしまいます。
マネージャーとして、組織をまとめるのが難しい状態に陥ってしまうことにもつながります。
感情を評価にいれない
マネージャーの機嫌とりをすれば、評価が上がるなんて、思われてしまえば、部下は本音で話さなくなってしまいます。
また、そのように思われてしまう事は、信頼されない要因に繋がります。
平等に、メンバーが納得のできる評価をする必要があります。
そのために、定性評価・定量評価の基準を明確にしておくと良いでしょう。
自ら決断をする
優柔不断な、マネージャーは部下から不安に思われてしまいます。
何か決断するときも、必ず部下の賛成を必要とするマネージャーになっていないでしょうか?
部下の意見を聞くことはもちろん大事です。
ですが、最終の決断はチームのトップであるマネージャーがしているのです。
最終決断をするときは、自らの意見として、責任を持つことが重要です。
マネジメントに活かせる資格
マネジメントするさいに、活用できそうな資格を箇条書きで紹介。
下記の資格は、様々なビジネスシーンで応用することができます。
- ビジネスマネージメント認定試験
- ビジネスマネジャー検定
- ストレスケアマネージメント
- 社会保険労務士(国家試験)
- 中小企業診断士(国家試験)
- 簿記検定
- 論理的思考インストラクター
- ロジカルシンキングマスター
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基幹システム アイピアでマネジメント活用
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まとめ
今回は、マネージャーに必要な、マネジメントについてご紹介させて頂きました。
マネージャーは多くの知識・能力が必要な役割です。
ですが、最初から完璧なマネージャーは存在しません。
日ごろから、能力の向上を常に意識し、成長を続けるこで、組織を良い方向に進めてください。
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