CLTとはなに?特徴や活用例を紹介

CLTとは?特徴や活用例を紹介

最近、よく見聞きするようになったCLTとは、どんな建材なのでしょうか。
CLTの特徴や活用例についてご紹介していきます。

CLTとは


CLTとはCross Laminated Timberの頭文字を取ったもので、日本語では直交集成板などと呼ばれます。
ラミナと呼ばれる小さな角材やのこぎりで製材された板状のひき板を並べ、繊維方向が直交するように積層接着して加工した木材です。

ラミナを貼り合わせることで、強度を高めることが可能です。
ラミナを接着して加工する木材としては集成材もあります。
集成材は繊維方向を揃えて接着されたもので、強度を保ちつつ、長さのある木材に加工することができます。

これに対して、CLTは繊維の方向が直行するように貼り合わされるので、長さだけでなく幅も広くできるのが特徴です。
縦に長いだけでなく、横幅も出せる厚みのある大きな板に仕上がるため、建築用の構造材をはじめ、家具などにも使われます。

集成材と合板の違いとは


集成材はラミナを木材の繊維方向を揃えて接合させたものです。
木材を小片に切断してラミナと呼ばれる、小型のパーツを作ります。
これをしっかり乾燥させ、寸法の変化や狂いを防ぎます。
その後、大きな節や割れなどの欠点を除去して、耐久性や品質を高めてから接合するのが特徴です。
縦に長さを出す縦継ぎ、幅を出す幅はぎ、厚みを出す積層を行い、小さなラミナが縦、幅、厚さ方向に接着されて集成材に仕上げられます。

これに対して合板は、薄い板を繊維方向を互い違いに交差させて接着させて製造された木材です。
木材を薄くスライスし、繊維方向が直交するように3枚~5枚の奇数枚を互い違いに貼り合わせます。
一定の寸法の板をスピーディーかつ低コストに加工できるのがメリットです。
合材は通称としてベニヤ板と呼ばれることも多いです。

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CLTの特徴


CLTの特徴は施工性が高く扱いやすいこと、耐震性に優れていること、環境に優しいことです。
この特徴を活かし、一般の木造住宅にとどまらず、規模の大きな幼稚園や学校、公共施設のような建物やマンションやビルなどの中高層建築に使われることも増えてきました。
それぞれの特徴を見ていきましょう。

施工性が高く扱いやすい

工場で加工され、現場に納品されるので、現場で速やかに組み立てて建築ができます。
コンクリート造の場合、水分を含んだコンクリートを養生する期間が必要となりますが、CLTは木材なので短期間で施工ができるのがメリットです。
コンクリート造の場合、1フロアあたり約5日の養生が必要となりますが、CLTなら構造部分の組み立てはわずか2日程度で済ませることが可能です。

また、木材は繊維の方向で収縮率に違いが出ます。
CLTは繊維方向を直交させて積層させているため、互いの層が変形を抑え合うのが特徴です。
一般的な木材よりも寸法変化が少なく、精度が高い仕上がりなので、施工性が高く扱いやすいです。

耐震性がある

従来の集成材は長さを出すのが得意でしたが、CLTは幅も出すことができます。
積層によって厚みも出せるため、分厚い面全体で構造を支えることが可能です。
厚みのある面で支えられた安定した建物が建てられ、倒れにくく、耐震性にも優れています。
同じ大きさのコンクリートパネルと比べた場合、木材でできているので非常に軽量です。
建物への負担が少なく、耐震性が高まります。

木材は加工しても呼吸を続けており、水分を吸収したり、放出したりすることで、時の経過とともに収縮する性質があります。
ですが、縦方向にはほとんど変化がありません。
そのため、CLTのように木材を直角に積層し接着した木材なら、収縮による変形を抑えられます。
寸法が安定するので、通常の木材を用いる場合より、強度を高めることが可能です。

環境に優しい

コンクリートと異なり、CLTは木材のため、建物に加工されてからも呼吸を続けます。
二酸化炭素を吸収してくれ、地球温暖化防止に貢献できるなど、環境に優しいです。
また、同じ厚さのパネルとして比較した場合、コンクリートより断熱性が高いのも特徴です。
木材はコンクリートに比べて10倍、鉄と比べた場合にはなんと400倍以上もの断熱性能があります。

これまで鉄筋コンクリート造は、木造住宅に比べて気密性、断熱性が高いと評価されていましたが、CLTを用いれば、木造建物でも断熱性を高めることが可能です。
CLT床をはじめ、天井や壁にパネルとして使用することで、断熱性能に優れた木造建物が実現します。
断熱性が高まれば、夏場や冬場のエアコン効率が高まり、省エネにつながります。
二酸化炭素の排出量を抑制できるので、環境に優しいです。

また、CLTの製造時に排出される二酸化炭素量も、多くの光熱費とエネルギーをかけて製造されるコンクリートや鉄骨よりも少なく済みます。
建物として使用される時だけでなく、製造時にも二酸化炭素の排出量を抑制して環境に優しい建材です。

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CLTの活用例


CLTは1995年頃からオーストリアを中心に広まっていきました。
イギリスやスイス、イタリアなどヨーロッパ各国でもさまざまな建築物に活用されています。
さらに、近年ではオーストラリアをはじめ、カナダやアメリカで高層建築に用いられるようになりました。

日本でも、壁式構造と断熱性の高さ、木の温もりを活かした戸建て住宅をはじめ、幼稚園や保育所、ホールなどの公共施設、高齢者福祉施設の居住部分やホテルの客室、中層建築物の共同住宅などに活用されています。
日本でも高層ビルの建設も着手されており、地上部の全構造部材にCLTを採用した11階建て高層ビルの建設が行われています。

延べ面積は約3,600平方メートル、高さは約44mの大規模な高層建築で、地下1階は鉄筋コンクリート造ですが、地上部分は純木造です。
床や屋根、建物の東西面に設ける耐力壁としてCLTが活用されています。

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まとめ

CLTとは小さな木片を繊維方向を揃えて接合させたもので、長さ、幅、厚みを出すことができます。
CLTの特徴は施工性が高く扱いやすいこと、耐震性に優れていること、断熱性が高く、製造時から使用時も二酸化炭素の排出量が抑えられ、環境に優しいことです。
戸建て住宅だけでなく、幅の出せる大きな壁面構造を活かし、大規模建物や中高層建物にも活用されています。

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