「いま、業務の何を解決すればいいと思いますか?」
これの問いに答えるためには様々な業務を網羅的に理解しておく必要があります。
ただ、日々忙殺されるなかでそうなるのはなかなかに難しいことですよね。
ましてや、答えを出す方法も分からないまま模索すれば
必要以上の時間がかかってしまいますよね。
今回は、「今もっとも解決すべき問題は何か」
「それを見つけるためにはどうすればいいか」を考えていきましょう。
目次
「TOC」という問題解決手法
TOC(Theory of Constraints)という問題解決手法があります。
「制約理論」や「制約条件の理論」とも呼ばれます。
物理学者のエリヤフ・ゴールドラット氏が1984年に出版した
「ザ・ゴール」という著書にて公開されました。
さまざまな考え方が網羅された理論ですが、簡単にいえば
「どんな組織・団体でも、ごく少数の要素によってパフォーマンスが制限されている」
ということです。
TOCではこの要素のことを「ボトルネック」と呼びます。
ボトルネックが分かっていれば
そこにフォーカスして問題解決に取り組むことができるので効率的ですよね。
ボトルネックを見つけよう
ボトルネックとは、直訳すれば「瓶の首」。
瓶の首は瓶の中で最も細くなっている部分です。
この細さがあるので、中にある液体が出にくくなっていますよね。
業務におけるボトルネックも同じで、
瓶の首のように細くなっている部分があるせいで
本来出るはずの勢いが出ず、流れが滞っている部分を指します。
ボトルネックの見つけ方
ボトルネックの見つけ方には様々なアプローチがありますが、
TOCがよく用いられる製造業の現場では以下のようなポイントがヒントになります。
- 仕事が停滞している場所はどこか
- 稼働率が高い工程はどこか
- 最も作業時間が長い工程はどこか
- よく問題やトラブルが起こる工程はどこか
製造業は製造工程がはっきりしているので、
製造工程を明確化する手間はさほど発生しません。
リフォームの仕事ではもう少し明確化に手間がかかるでしょうが、
問合せ~引渡しまでなら比較的分かりやすいかもしれません。
まずは大きな業務区分から上記ポイントを考えてみましょう。
実際にTOCを実行する際にはフェーズごとの細かいフローを明らかにする必要があります。
以下の記事を参考に、業務フローの明確化を試してみてください。
参考記事:自社の問題を明らかにする方法
ボトルネックの「細さ」を広げよう
ボトルネックを見つけたら、細さを最大まで広げるよう全力で試みます。
具体的には、他の業務フェーズからリソース(人員・予算・時間など)を動かしてでも
ボトルネック業務のパフォーマンスを最大化するように行動します。
問合せ~引渡しという大きな業務フェーズだと
この調整が難しいので細分化した業務フェーズのフローが必要になるわけです。
ボトルネックのパフォーマンスが最大化できれば、
次はそれを維持する必要があります。
ボトルネックの移り変わりに注意
これでボトルネックは解決。業務は最適化!というわけではありません。
というのも、ボトルネックは移動するからです。
パフォーマンスが最大化された業務は、ボトルネックではなくなりますが
その分ほかの業務がボトルネックになるのです。
パフォーマンスを最大化する手順の中で他の業務を圧迫した可能性もありますが
ボトルネックが最大化した結果、これまで目立たなかった問題が露見したと考えるべきです。
なので、ボトルネックを解消し続けるプロセスは長期的です。
この時注意すべきなのは、新たなボトルネックを解決する時には
これまでのボトルネック業務での方針やフローなど、まったく異なるということです。
つまり、ルールが異なるのでおなじような方法で解決できるとは限りません。
まとめ
- ボトルネックを見つける
- ボトルネックを解消し、パフォーマンスを最大化する
- 移動したボトルネックを見つける
- 移動したボトルネックをまた解消、最大化・・・
TOCではこの手順を繰り返すことで、出来る限り生産性を高めていきます。
ぜひ、TOCをより詳しく知り実行するためにゴールドラット氏の著書を参考にしてください。
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