【2022年度】建設業者が利用できる助成金は?費用や支給額まで詳しく紹介

【2022年度】建設業者が利用できる助成金は?費用や支給額まで詳しく紹介

助成金制度にはさまざまな種類がありますが、何が利用できるのかわからないといった声も多く聞かれます。
今回は特に建設業の事業者が利用できる助成金に焦点を当て、ご紹介します。

助成金とは


国や地方公共団体が、法人あるいは個人の事業主を支援するために支出するお金のことを助成金といいます。国庫を原資としているもので返済の必要はありません。

おおまかに助成金には、厚生労働省が管理している雇用関係の助成金と、主に経済産業省が管理している研究開発型の助成金の2つがあります。

  • 施工管理システム

補助金との違い

補助金も助成金も、国や地方公共団体から支給されるお金のことです。
両者には明確な区別はないのですが、通例では「助成金」は要件を満たした事業者には原則給付のものが多く、「補助金」になっている場合は採択件数や金額があらかじめ決まっているものが多いという特徴があります。
ただし、必ずしも、通例通りの運用になっているとは限らない点には注意が必要です。

生産性要件とは

生産性要件とは、助成金の割増などに必要な生産性の向上率などの要件のことを指します。

雇用関係の助成金でよく目にする生産性は以下の式で求められます。

生産性 = 付加価値 / 雇用保険被保険者数

事業所における生産性向上の取り組みを支援するため、雇用関係助成金を受給する事業主が生産性要件を満たしている場合には、助成金の割増等が行われる場合があります。

具体的には助成金の支給申請を行う直近の会計年度における「生産性」が、以下の要件を満たすことが必要です。

  • その3年度前に比べて6%以上伸びていること
  • その3年度前に比べて1%以上(6%未満)伸びていること
    (この場合、金融は機関から一定の「事業性評価」を得ていることが必要です)

いずれの要件も3年度前の初日に雇用保険適用事業主であることが必要です。
会計期間の変更等で1年未満の会計年度の期間がある場合は、当該期間を除いて3年度前に遡って算定が行われます。

この生産性要件の対象となる助成金は、以下のものがあります。

  • 労働移動支援助成金
  • 中途採用等支援助成金
  • 地域雇用開発助成金
  • 人材確保等支援助成金
  • 65歳超雇用推進助成金
  • キャリアアップ助成金
  • 両立支援等助成金
  • 人材開発支援助成金

建設業者が利用できる助成金


建設事業主や建設事業主団体などが、建設労働者の雇用の改善や技能の向上などを図るための取り組みを行った場合に受けることができる助成金があります。

建設事業主等に対する助成金は以下のものになります。

  • トライアル雇用助成金
  • 人材確保等支援助成金
  • 人材開発支援助成金

こうした雇用関係助成金に共通の要件として受給できる事業主には以下のことが求められています。

  • 雇用保険適用事業所の事業主である
  • 支給のための審査に協力する
  • 申請期間内に申請を行う

これらの共通の要件に加えて、助成金ごとに個別の要件が定められています。

人材開発支援助成金

厚生労働省が所管している人材開発支援助成金は、雇用する労働者のキャリア形成を効果的に促進するため業主等に対して助成する制度で、以下の8つがあります。

  • 特定訓練コース
  • 一般訓練コース
  • 教育訓練休暇等付与コース
  • 特別育成訓練コース
  • 建設労働者認定訓練コース(経費助成・賃金助成・生産性向上助成)
  • 建設労働者技能実習コース(経費助成・賃金助成)
  • 障害者職業能力開発コース
  • 人への投資促進コース

その中でも特に、建設業者に関係が深い建設労働者認定訓練コースと建設労働者技能実習コースを見ていきましょう。

建設労働者認定訓練コース

中小建設事業主及び中小建設事業主の団体を対象とした助成制度です。
建設業における労働者の育成及び技能継承を行うことで、建設労働者の雇用の安定と能力の開発及び向上を目的とするものです。
コースの種類は次のものになります。

  • 建設労働者認定訓練コース(経費助成)
  • 建設労働者認定訓練コース(賃金助成)
  • 建設労働者認定訓練コース(生産性向上助成)
支給対象者中小建設事業主又は中小建設事業主団体が支給対象となり、以下の要件に該当する必要があります。

  • 認定訓練を実施している。
  • 当該認定訓練の運営に要する費用について、広域団体認定訓練助成金の支給又は同条の認定訓練助成事業費補助金の交付を受けて都道府県が行う助成を受けるものであること。
支給額助成の対象経費とされた額の1/6に相当する額。

建設労働者技能実習コース

建設事業主、建設事業主団体を対象とした助成制度です。
建設業における労働者の育成及び技能継承を図り、建設労働者の雇用の安定、並びに能力の開発及び向上に資するため、建設事業主、建設事業主団体に対して行われる助成制度です。
以下のコースの種類があります。

  • 建設労働者技能実習コース(経費助成)
  • 建設労働者技能実習コース(賃金助成)
  • 建設労働者技能実習コース(生産性向上助成)

支給対象者はコースの種類ごとに定める要件に該当するものに対して支給されます。

建設労働者技能実習コース(経費助成)
支給対象者次のいずれかに該当する、訓練を受講する労働者から費用を徴収するものでない実習を実施する中小建設事業主又は中小建設事業主団体、及び中小建設事業主団体以外の建設事業主団体が技能実習を行う場合は、女性の技能実習のみが支給対象となります。

  • 職業訓練指導員免許を持った指導員が合計10時間以上の建設工事における作業に直接関連する技能実習を行うこと。
  • 技能実習の内容が建設業法に規定する技術検定に関する講習で、教育訓練給付金の支給対象となる指定教育訓練であること。
支給額一つの技能実習について、1人あたり10万円を限度に、基準により算定して得た額の合計額に、条件によって異なる割合を掛けた額になります。

  • 企業全体の雇用保険被保険者数が20人以下の中小建設事業主については3/4。
  • 企業全体の雇用保険被保険者数が21人以上の中小建設事業主であり、35歳未満の若年建設労働者に技能実習を行う場合は7/10。
  • 企業全体の雇用保険被保険者数が21人以上の中小建設事業主であり、35歳以上の建設労働者に技能実習を行う場合は9/20。
  • 女性建設労働者に係る技能実習を行う中小建設事業主以外の建設事業主については3/5。
  • 中小建設事業主団体については4/5。
  • 女性建設労働者に係る技能実習を行う中小建設事業主団体以外の建設事業主団体については2/3。
建設労働者技能実習コース(賃金助成)
支給対象者次の2つの要件を満たす中小建設事業主が支給対象となります。

  • 建設労働者技能実習コース(経費助成)の対象となりえる技能実習を受講させる中小建設事業主。
  • 技能実習を受けさせた日に通常の賃金の額以上の額の賃金を支払う中小建設事業主。
支給額事業所の規模によって支給額に違いがあります。
また、建設労働者1人につき20日分を限度とし、一つの事業所についてほかの建設労働者技能実習コースの助成金と合わせて500万円が限度になります。

  • 企業全体の雇用保険被保険者数が20人以下の中小建設事業主については1人につき8,550円。
  • 企業全体の雇用保険被保険者数が21人以上の中小建設事業主については1人につき7,600円。
建設労働者技能実習コース(生産性向上助成)
支給対象者支給対象者の要件は以下の2つに該当する中小建設事業主になります。

  • 建設事業主の建設労働者技能実習コース(経費助成)又は建設労働者技能実習コース(賃金助成)の支給決定を受けている。
  • 生産性要件(建設)を満たしている。
支給額一つの事業所についてほかの建設労働者技能実習コースの助成金と合わせて500万円が限度になっています。

  • 建設労働者技能実習コース(経費助成)の支給決定を受けていた場合により算定して得た合計額の3/20
  • 建設労働者技能実習コース(賃金助成)の支給決定を受けていた場合
  • 企業全体の雇用保険被保険者数が20人以下の中小建設事業主については日数1日あたり2,000円
  • 企業全体の雇用保険被保険者数が21人以上の中小建設事業主については日数1日あたり1,750円
厚生労働省「人材開発支援助成金」

人材確保等支援助成金

人材確保等支援助成金は、人材の確保・定着を目的としており、労働環境の向上等を図る事業主や事業協同組合等に対して助成する制度です。

雇用管理制度助成コース

雇用管理制度の導入実施を通じて従業員の離職率の低下に取り組む事業主に対して助成するものでしたが、令和4年4月1日以降、整備計画の新規受付を休止しています。

建設キャリアアップシステム等普及促進コース

建設キャリアアップシステム(CCUS)の普及を促進する制度です。

支給対象建設事業主団体の構成員である中小建設事業主等のほか、当該構成事業主と元下関係にある中小建設事業主等事業に対して助成します。
支給額
  • 中小建設事業主団体は支給対象経費の2/3
  • 中小建設事業主団体以外の建設事業主団体は支給対象経費の1/2
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若者者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)

魅力ある職場づくり事業に対する助成です。
対象と支給額は以下になります。

支給対象
  • 若年および女性労働者の入職や定着を図ることを目的とした事業を行った建設事業主または建設事業主団体。
  • 建設工事における作業についての訓練を推進する活動を行った広域的職業訓練を実施する職業訓練法人。
支給額若年および女性労働者の入職や定着を図ることを目的とした事業を行った建設事業主または建設事業主団体の場合

  • 中小建設事業主については支給対象経費の3/5
  • 中小建設事業主以外の建設事業主については支給対象経費の9/20
  • 中小建設事業主団体については支給対象経費の2/3
  • 中小建設事業主団体以外の建設事業主団体については 支給対象経費の1/2

建設工事における作業についての訓練を推進する活動を行った広域的職業訓練を実施する職業訓練法人の場合

  • 支給対象経費の2/3
作業員宿舎等設備助成コース(建設分野)

以下の3つの対象があり、支給される金額も異なります。

支給対象
  1. 被災三県に所在する作業員宿舎、作業員施設、賃貸住宅を賃借した中小建設事業主。
  2. 自ら施工管理する建設工事現場に女性専用作業員施設を賃借した中小元方建設事業主。
  3. 認定訓練の実施に必要な施設や設備の設置又は整備を行った広域的職業訓練を実施する職業訓練法人。
支給額
  1. 支給対象経費の2/3
  2. 支給対象経費の3/5
  3. 支給対象経費の1/2
厚生労働省「人材確保等支援助成金」

トライアル雇用助成金

職業経験、技能、知識等から安定的な就職が困難な求職者に対して、ハローワークや職業紹介事業者等の紹介により一定期間試行雇用した場合に助成する制度です。

受給要件
(雇用要件)
雇用に関して以下の要件が必要です。

  • ハローワーク・紹介事業者等の紹介により雇い入れること
  • 原則3ヶ月のトライアル雇用をすること
  • 1週間の所定労働時間が原則として通常の労働者と同程度であること
    また雇用者に関しては以下の、いずれにも該当しない者であること
  • 安定した職業に就いている者
  • 自ら事業を営んでいる者又は役員に就いている者であって、1週間あたりの実働時間が 30 時間以上の者
  • 学校に在籍している者
  • トライアル雇用期間中の者
受給要件
(就業者の要件)
さらに、以下の条件のいずれかに該当する者であることが必要です。

  • 紹介日前2年以内に、2回以上離職又は転職を繰り返している者
  • 紹介日前において離職している期間が1年を超えている者
  • 妊娠、出産又は育児を理由として離職した者で安定した職業に就いていない期間が1年を超えている者
  • ニートやフリーター等で55歳未満である者
  • 就職支援にあたって特別の配慮を有する事情、生活保護受給者、母子家庭の母等、父子家庭の父、日雇労働者、季節労働者、中国残留邦人等永住帰国者、ホームレス、住居喪失不安定就労者、生活困窮者のいずれかに該当する者
支給額1人につき月額4万円。
厚生労働省「トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)」

職場環境改善計画助成金

事業者が、ストレスチェックによる集団分析結果を踏まえ、専門家による指導にもとづき職場環境改善計画を作成し、計画に基づき職場環境の改善を実施した場合に指導費用の助成を受けられるものです。

建設現場コース

建設業の元方事業者が、ストレスチェック実施後の集団分析結果を踏まえて、専門家による指導にもとづき職場環境改善計画を作成し、それにもとづき職場環境の改善を実施した場合に、負担した指導費用の助成を受けられる制度です。

受給要件・労災保険の適用事業であること
・元方事業者及び関係請負人の労働者数が常時50人以上の建設現場であること
支給額1建設現場あたり100,000 円を上限に、将来にわたり1回限りの助成。
独立行政法人労働者健康安全機構 勤労者医療・産業保健部「令和 3 年度版「職場環境改善計画助成金」【建設現場コース】の手引」
  • 施工管理システム

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まとめ

助成金制度は膨大な数があり、助成金制度は新設や休止を含めて毎年のように内容の変更が行われています。
活用を検討する際には必ず最新の情報をチェックする必要があります。
特に申請のタイミングや細かい要件、重複の扱いなどにも注意が必要です。
また、助成金によって、審査や支給の決定及び振り込みまでに期間を要するものもあります。
活用する際には留意しておくと良いでしょう。

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AIPPEAR NET 編集部

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