2021年からウッドショックという言葉が注目されるようになりました。コロナをきっかけで木材の価格高騰が起こり、様々な影響をもたらしています。
本記事ではウッドショックの概要や影響について見ていきます。
目次
ウッドショックとは
木材の需給がひっ迫して、木材不足により価格が高騰している状況のことです。
「オイルショック」になぞらえた言葉であり、2021年から注目されるようになりました。
世界の動きによって変動するため、現状では今後の見通しは立っていません。
木材・木製品・林産物の輸入価格
経済水産省の調査で、2021年から大幅に木材の価格が高騰していることが読み取れます。
▼いつまで続くウッドショック;価格の高止まりが需要に影響?|経済産業省
製材の輸入価格
製材の輸入価格を見てみると、アメリカからの輸入価格が大きく上がっています。
また、前年末と比べると96パーセン高騰していることから世界で見ても大規模な木材の価格高騰が起こっていることが分かります。
▼いつまで続くウッドショック;価格の高止まりが需要に影響?|経済産業省
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なぜウッドショックが起きたのか
ウッドショックは新型コロナウイルスの影響が大きく関係しています。
新型コロナウイルスの影響
新型コロナウイルスの影響で在宅勤務が主流になりました。
そのため、特にアメリカと中国を中心に、今まで都内に住んでいた人たちが郊外に新たに住宅を建てることが多くなり、住宅の需要が急増しました。
品質基準の高い日本よりも、品質基準が低めであり、かつ大量購入をしてくれるアメリカや中国に輸出しようとする流れが出来てしまっています。
コンテナ不足
新型コロナウイルスの影響でステイホームが広がり、ネットショッピングなどの利用が増え、世界的に物流が活性化しました。
コンテナ不足により、コンテナを利用した輸送料が高騰しています。
たとえ購入できたとしてもコンテナが不足していれば日本まで運ぶことが難しくなります。
アメリカや中国に輸送用のコンテナが集中していることが大きな原因のひとつであるとも言われています。
木材不足
海外で木材の伐採を行う労働者が新型コロナウイルスの影響で減少しています。
そのため、木材の生産や出荷が進んでいないのが現状です。
カナダの害虫被害やオーストラリアの森林火災も拍車をかけ、さらに木材不足が問題になっています。
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これからの見通しは?
世界の輸出入の動きによって変動するため、簡単には予測はできません。
「最低でも年内いっぱいで収まるのではないか」「ウッドショック前の水準に戻ることはないのではないか」など様々な意見があります。
どちらにせよ日本の木材価格が落ち着くまでにはまだ時間がかかることは間違いないでしょう。
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建設業の影響は?
日本の住宅に関して、柱の約6割、梁の約9割で輸入材が使用されています。
柱や梁は特に強度や寸法など細かな決まりを満たすものが求められます。
国産材に代替することが難しく、替えたとしても設計や価格に影響が出てくる可能性があります。
少子高齢化やコロナに伴い、日本の林業従事者は減少傾向にあります。
国産材だけでは日本の住宅需要を満たすことは困難であり、輸入に頼らなければならない状況です。
国産材への切り替え
国産材の切り替えを行うべきという意見があります。
国産材へ切り替えを行うとウッドショックによる価格変動や輸送の遅れの影響を受けることがなくなります。
しかし、国内の林業は少子高齢化や若者離れにより林業従事者は年々減っているため、大幅な国産材の増加は難しいです。
また、市場価格の維持も難しくなることから国産材への切り替えには課題が多くあります。
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お客様への影響
材料費の値上がりのため、数十万ほど値上がりが起こる可能性があります。
また、コンテナの手配ができず輸送が間に合わず工期の遅れが発生する場合もあります。
国産材だけを使っている住宅会社に依頼したり、木造ではない建築方法を選択するなどの対策が考えられます。
国産材のみを使用している住宅は値上げや工期の遅れは発生する可能性が低いですが、国産材の需要から価格は決して安くなるわけではないため注意が必要です。
ウッドショックを利用して購入をせかしたり、ウッドショックに関係なく大幅な値上げを求める住宅会社には注意しましょう。
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まとめ
ウッドショックの影響は2022年になった今でも今後の見通しは立っていません。
不動産価格は引き続き上昇すると考える人が多数であり、コンテナ不足についても解消する目処はたっていません。
住宅の購入を考えている人は、住宅会社ごとの着工の遅延や価格についてよく比べたうえで依頼する住宅会社を選ぶようにしましょう。
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